内容説明
大正末期,大震災直後の東京にひとりの異才が登場,卓抜な着想,緻密な構成,巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった.日本文学に推理小説の分野を開拓し普及させた江戸川乱歩(1894-1965)の,デビュー作「二銭銅貨」をはじめ「心理試験」「押絵と旅する男」など代表作12篇を収録.
目次
目 次
二銭銅貨
d坂の殺人事件
心理試験
白昼夢
屋根裏の散歩者
人間椅子
火星の運河
お勢登場
鏡地獄
木馬は廻る
押絵と旅する男
目羅博士の不思議な犯罪
[解説]乱歩登場 千葉俊二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
57
確か二十歳の頃に、乱歩は少し読んだがうろ覚え、で、この本は初ですが、既読の作品もありましたが、「人間椅子」「屋根裏の散歩者」は、特に名作です。2017/05/15
優希
49
面白かったです。探偵小説と幻想小説がいい具合に収録されていて楽しめました。2021/10/25
yumiha
49
ホラー系の苦手な私、実は乱歩も苦手である。でも、先日『続・二銭銅貨』(北村薫)という短編を読んだので、元本の方を確かめたくなり、本書を読んでみた。「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「押絵と旅する男」などのゆ~めい作品が入っていた。描かれていた明智小五郎がモジャモジャ髪を引っ搔き回す癖は、金田一耕助と間違えそうなイメージ。小学生の頃に読んだ少年探偵団シリーズの明智小五郎は、もっとスマートで怜悧な印象だったのだが、時間が記憶を曖昧にしてしまったのだろうか?2021/01/25
ルカ
35
「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「人間椅子」など代表作12篇。 軽快な推理に心踊る明智小五郎シリーズ、意表を突く妖しいストーリー、乱歩の色んな面が見られる短篇集であった。 この中では「心理試験」「人間椅子」が最高でした。2020/06/18
ひよピパパ
35
①「屋根裏の散歩者」②「人間椅子」③「押絵と旅する男」の三作品が特に印象的だった。①は屋根裏から殺人を働こうとする犯人の嗜好もユニークだが、犯人と名探偵明智小五郎とのやりとりもまた面白い。②は椅子の中に住むという男を描くが、最後にどんでん返しがあり、「世にも奇妙な話」等で取り上げてほしいくらい恐ろしくも見事なストーリー。③は傑作。蜃気楼についての詳細な描写や、不思議な双眼鏡が、読者を不思議な世界に誘う装置になっている。一見の価値あり。2016/02/23
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