出版社内容情報
早稲田に庵を結ぶ美人で評判の尼に人生相談に行った者が、殺される事件が続発。死体にはなぜか剃刀の痕。はたして尼の正体とは?
内容説明
高田馬場の竹林に棲む評判の美人尼。その庵の近くで、女好きの若旦那が死体で発見された。衣服には一筋の剃刀の跡。若旦那は、評判の尼に人生相談に行くと言い残して家を出たという。やがて尼の周囲で殺人が相次ぐ。はたして尼の正体とは―。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第二巻。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒。93年、『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞を受賞。2002年、第1回北東文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baba
26
現代の女性に通じる買い物癖の話し。若い頃、無頼者であった事が今の肥前守の人柄を作っていることが伝わり、無駄な事はない。事件と共に解かって来る考え方や配下の者たちの様子が親しみを持って伝わる。2016/02/28
Hugo Grove
18
買い物依存症ってきっとずっと昔からあるだろうなと思いあたった。とはいえ流行りの文様をみると、刃物を振り回したくなるっというのはどうかな。フェイクニュースで流行を牽引するのも常套手段だろうし。妖談とはちょっとちがうかなと。それでもまあまあ面白かった。2018/01/07
深青
17
シリーズ2作目。何事にも裏がある。よく見てよく聞いて、しっかり調べて。そんな姿勢の根岸様がやっぱり好きです。かっこいいなぁ…。恥をかかない人生は面白くない、迷ったくらいが楽しい人生が歩めるという言葉がとても印象的でした。迷って時に恥かいて、楽しい人生送りたいものです。2016/07/10
二分五厘
16
高田馬場で悩み相談を受け付ける美人の尼・月照尼。その周りで、かみそりで切りつけられた死体が相次いで見つかる。調べを始めた奉行所の面々の目前に、かみそりを振りかざした尼が立ちはだかる。いかにもなメインの事件よりも、脇に散りばめられた怪談めいた挿話が魅力的。二十年間神隠しにあった松屋の主人、祟る大けやき、禁じられた子守唄、火事場に現れる火消しの幽霊、出没する可愛いあぶら小坊主。それらが直接又は間接的にかみそり尼事件に繋がる終盤を満喫。「恥をかかないような人生の、何が面白いというのか」迷わない人生なんて○○だ。2016/02/13
猫ぴょん
13
なるほど~。謎の影に依存症というかある種の中毒と言うか。 そうゆう私も活字中毒(^-^; 椀田姉「ひびき」の出番増を願う(笑) 2018/08/11