講談社ラノベ文庫<br> あのねこのまちあのねこのまち 壱

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講談社ラノベ文庫
あのねこのまちあのねこのまち 壱

  • ISBN:9784063816129

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内容説明

地図にあるのにたどり着けない町、夕霧町。ポルターガイスト現象に悩む高校生・墨染幸一は、たまたま夕霧駅に降り立ち、相談屋を営む少女・フミと出会う。彼女の店にはいつもフシギな相談が。フミに振り回され、幸一も依頼者のハッピーエンドのためおかしな町を駆け回る! しかし、やがて幸一は知る。のんきに茶をすする彼女の、あくびに隠れた哀しい祈りを――。とっても愉快でちょっぴり切ない、脱力系お悩み解決ファンタジー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うまる

29
【縛り本】掛け合いが良くて、全体的に楽しく読みました。 猫又の口調がいかにもって感じで、作品の雰囲気に合っていて良かったです。ひょっとこや小豆洗いのキャラも面白い。もっと色んなアヤカシや不思議道具を見てみたいです。シリーズだったら、フミの話はもうちょい後でも良かったと思うけど、1冊でまとめるなら急展開も致し方ないのかな。まぁ1巻でこれをやったから、2巻はゆるくゆったり読めるのかもしれない。次巻も楽しみです。2023/05/09

ばたやん@かみがた

22
似たような作品は、霜島ケイ「カラクリ荘の異人たち」が上げられるだろうか。訪ね人の主観が目的地にたどり着けるかどうかを左右する夕霧町同様、フミらあやかし達の行動原理は非常に分かりにくい。しかし、読み進めていくうちに、悠久の生を受けたあやかしならこんな判断するだろうな、と読者の腑に落ちさせる所は秀逸。2018/06/14

まるぼろ

19
ある人に言えない悩みを抱えていた墨染幸一は帰りの電車で最寄り駅を一つ乗り過ごしてしまった夕霧駅近くの売店で綾崎フミと言う名の少女と出会うが…と言う所から始まるお話です。幸一とフミや他の皆んなとの会話の応酬でまったりしつつも楽しい気分になり、朱音の事件を機にフミの過去に触れしんみりしつつも、幸一の頑張りを経て最後は幸せをお裾分けして貰った様な気持ちで読了する事が出来ました。とても良い、そして私好みな心地いい作品でした。次巻ももう出ているので出来るだけ早めに読めれば良いなと思っています。2017/11/03

たこやき

19
街の面々、そして、住まうキャラクターたちは非常に魅力的。ただ、フミの性格自体は「のほほん」としているものの、話自体はかなりシリアスそのもの。特に、フミの過去についてのエピソードについては、かなり考えさせられる。生きていることが大事なのか、それとも生きがいこそが、なのか? ある意味、フミの性格が形作られる元となったのだろうけど、これはどちらも間違っていないからこそ厄介なのだよな……。その意味で、幸一のとった解決策は、強引だけど正しいのだろう。まぁ、すでに2巻の刊行も決まっているし、欠点の克服も含めて期待。2017/10/22

真白優樹

18
人間は誰も知らない不思議な街で、少年が相談屋を営む猫又の少女に出会い、始まる物語。―――二人で詰め込もう、幸福をこのお店に。妖怪達の世界、そんな場所で繰り広げられる毎日と、妖怪らしい相談事。猫らしい、妖怪らしい、まったりとしたゆるりと流れる時の中、少年と少女の心も近づき、過去の記憶を乗り越えて手を繋ぐ。どこか郷愁的、そして安穏とした優しい匂いのするこの物語、読めばきっとあの町へと行ってみたくなる。そんな優しさに満ちており、私達の心を溶かし緩ませ、力を抜かせて受け止めてくれるのである。 次巻も楽しみである。2017/08/03

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