内容説明
官職を追われ不遇な生涯を送った洪自誠の『菜根譚』と、官僚のトップにまでのぼりつめた呂新吾による知られざる名著『呻吟語』。中国を代表する処世訓である二書のエッセンスをこの一冊に集約する。混迷の時代に生まれ、現在まで読み継がれる言葉は、私たちに何を教えてくれるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
11
菜根譚と呻吟語をあわせて読もうという面白い試み。洪自誠と呂新吾の架空対談もありましたが、これ要りますかね?(笑)どちらも素晴らしい処世訓ですが、なんとなく呻吟語(呂新吾)の方が好きです。正義感が強いが故に失脚した不遇のエリート(救世主一歩手前)って雰囲気がいいんですよね。例えば、呂新吾は、「善人が幸福だとは限らないし、悪人が不幸だとも限らない」だからといって「悪事をなすのをよしとしない」と書いています。達観しているというのか、世の不条理を理解した上で、それでも自分は正しくあろうと。んー、カッコイイ。2021/02/09
DEAN SAITO@1年100冊
7
為政者目線でものされた、これより古い古典に比べると、個人の処世術として身近に感じられる気がした。2022/04/18
こすとがいん
7
呂新吾「呻吟語」初めて知りました。「菜根譚」は守屋さんの本で知っていたつもりですが、訳者によって雰囲気が変わりますね。適度に何度も読み返したい作品です。2021/11/03
けせらせら
4
中庸 足るを知る2022/12/16
sui
4
古代中国で地位を上り詰め失脚した「呻吟語」と地位が低いまま一生を終えた「菜根譚」を比較しつつ紹介。各々の人生の考え方が書かれている。類似点が多い。 ○逆境:自分を磨く機会。一歩ずつ自分を鍛え直す。 ○人間関係:自身を修練し、常に考えを更新し続ける。 人の忠告は素直に聞いて反省する。仕事の8割が人との言い争い。相手の得意分野で張り合わない。常に「私」ではなく「公」の意識を持つ。欲はほどほどに。 ○幸せ:夢の大きさを調整し身の丈に合わせる。ことさら幸せを求める西洋的姿勢が不幸を生む。不幸がないことが一番幸せ2021/09/19
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