内容説明
この感覚、きっと覚えておいでだろう。誰もが否応なしに放り込まれた、小中学校の友達同士のパワーバランス。一瞬の油断もならず、発言には細心の注意を払い、自分のポジションを確保するのに汲々とする――。子供といえど、毎日戦っているのだ。優等生の相原真帆は、ある事件をもとに“最下層”の境遇に陥る。転校先では、同じことを繰り返したくない。孤高とも言える幼き真帆の背筋の伸びた姿勢が胸を打つ、問題作にして傑作がここに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優愛
37
集団の中ではどうしてもそこに馴染む者が有利だし、優先される。私に刻まれた忌まわしい過去が呼び覚まされては思い出したように声を上げた。あの頂上に上り詰めたい。だってあの子じゃあまりに相応しくない。でもその為には一体どうしたら──。安定した均衝を崩せない。この教室で培い、守られてきたものが大きすぎて。ねぇ、あの食事に何を入れたの。せりあがる身体の異変。吐き気、鈍痛、何かがおかしい。おかしい。おかしい──「私の夢はここにいる全員皆殺し」嗚呼、そうか。例外じゃなかったのだ、私も。そうしてゆっくり、闇に呑まれた。 2017/12/20
ひろ
16
どうなっていくのかと先が気になり読み進めたが、何をテーマにした小説なのか分かり難い。中盤とても面白い分、期待外れに思えた。2018/12/03
パンダプー
13
スクールカーストもの?受賞した小説はあまり本筋と関係ないし、珠子さんのエピソードがあまりピンとこないというか。 そもそも、東京で自殺した子の気持ちは(屈辱)は主人公にわかっているのかもよくわからない。雪彦もどうもよくわからんし。 イジメを乗り越えるのは難しいというテーマでもなさそうだし。ミルミルに叛逆した主人公がカッコ良いとおもったが、その動機もなぞ?イヤミスでもないしね。2017/06/25
シュナ
8
なんか想像していたのと違った。一括りにテーマを言えと言われても悩んでしまう感じ。いじめがテーマかと言われればそうかも知れないけど、あまり掘り下げられてないし…。読んでて思ったのは"怨み"や"劣等感"があるまま、人生を過ごしても無駄な時間なんだなと思った。2017/08/24
Ramo
7
題名に惹かれて買った。ものすごくおもしろかった。読んでみると題名にあまりピンとこないが。でも本当にイヤミス好きな人には読んで欲しい!ミステリー感は低いけどイヤミス読んだ後味に似てる。花代に同窓会で会って話す最後の方のシーンが特に好き。うわっぐさってくる。2021/05/22
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