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内容説明
意識とは何か。意識はなぜあるのか。ロボットに心を作ることはできるのか――。
著者は子どもの頃からの疑問を科学者になって解明しました。それが、「意識は無意識の決定を記憶する装置にすぎない」とする『受動意識仮説』です。
ならば、無意識をクリーンな状態に整えておけば、心も身体も軽やかに動くはず。
その方法について、無意識に関わりの深いエキスパート4名=大リーグのドジャースなども指導する心身統一合氣道会会長の藤平信一氏、東大卒の気鋭の僧侶・松本紹圭氏、森の中で経営者や子どもたちへのプログラムを実施する株式会社森へ 代表取締役・山田博氏、東大病院循環器内科助教の医師・稲葉俊郎氏との対話を通じて著者が探求し、30の方法にまとめて解説します。
【著者情報】
前野隆司(まえのたかし)
慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント科教授。1962年山口県生まれ。
キヤノン株式会社でカメラやロボットの研究職に従事したのち、慶應義塾大学教授に転ずる。現在はヒューマンインターフェイス、ロボットのデザイン、教育のデザイン、地域社会のデザイン、ビジネスのデザイン、幸福な人生のデザイン、平和な世界のデザインまで、さまざまなシステムデザイン・マネジメント研究を行なっている。
著書に 『幸せの日本論 日本人という謎を解く』(角川新書)、『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)などがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ito
35
図書館の返却棚で見つけた本。無意識という視点から、世界と身体と心を捉えようとしており、全編が4名の方との対談で構成されている。対談は聞き手の深い知識や網羅性によって、相手の世界観を引き出すことができる。著者と4名の方は専門分野は違うが同じ価値観を共有し、異なる視点から無意識にアプローチしている。無意識を整えることが、自分自身の問題に留まらず、宗教や経済、いじめなどの社会問題にまで波及することが理解でき、何度も驚かされた。登場する4名の方のお話を通して、自分の狭い心と浅い思考に思い至ることの連続だった。2017/05/21
じょんじょん
33
合気道、仏教、コーチング、医療 異なる4分野のエキスパートと『意識』についての対談。対談のかたちなので、たてつけは平易ですが、内容の深みと凄みはすごかったです。こんなに異なる分野において、奥深くつながる世界があることに感銘を受けました。合気道における『型』を繰り返すことで意識から無意識、そして『氣』にというところはわかりやすい。医療のパートでは、もはや話は医療の領域をはるかに超えている。日本人特有の所作や対応がNGではないのだという指摘は目から鱗でした。『道』は『美』に通じ、『調和世界』に昇華していく。2017/05/17
出世八五郎
30
あとがきで著者自らタイトル詐欺とあるように、具体的な実践方法は紹介されておらず、武道家、僧侶、㈱森へ社長、東大医学部付属病院医師、4人との各対談本。ただ、各識者との対談終了後ページに箇条書きされた無意識の整え方が紹介されている。・・・タイトル詐欺とはいえ読んで損はなく、逆に各業界の識者達の無意識に対する意見は発見がある。本書を知り“みずから”を救うには無意識も重要と知る。それが“おのずから”となる。アウフヘーベンに近いかな。2017/09/30
デビっちん
27
再読。無意識は利用するものでもコントロールするものでもなく、調和し委ねるものであるように感じました。押さえつけたり、意のままに操ろうとすると、なかなか思い通りにいきませんから。そんな無意識へとつながるためには、心と身体を整えることが効果的であるようです。やっぱり、最後に目指すべきは世界との調和ですかね。その具体的な整え方は本書に記載されています。2回読んでも、1人の科学者と4人のエキスパートたちが織り成す示唆に富む内容は、その印象が薄れることはありませんでした。2017/10/05
左端の美人
24
自己啓発っぽいタイトルですが、哲学書のような読み口でした。対談式なのでさらっと読めました。合気道にとても興味が湧きました!そして、森に行きたくなりました!(単純~)「幸せになろうとするより誰かを幸せにしようとしている人のほうが圧倒的に幸福だ」2016/10/31