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内容説明
当代一流の国際人であり教養人だった新渡戸稲造が、未来の日本を担う青年達に向けて記した実践的人生論。
自らの経験と深い思想にもとづき、人として生きるうえでの礼節や心構えはもとより、「不向きな職業を選びて失敗した実例」「打ち明けて頼めば反対者も同情する」「名誉を毀損された時の覚悟」「新刊書はいかにして読むか」など、日常のなかでの必要な事例をふまえた啓蒙的内容に富んでいる。
百年読み継がれてなお、現代日本人に多くの示唆をあたえる不朽の名著、待望の新訳決定版! 解説/斎藤兆史
序
総説
第一章 青年の特性
第二章 青年の立志
第三章 職業の選択
第四章 決心の継続
第五章 勇気の修養
第六章 克己の工夫
第七章 名誉に対する心がけ
第八章 貯蓄
第九章 余が実験せる読書法
第十章 逆境にある時の心得
第十一章 順境にある時の心得
第十二章 世渡りの標準
第十三章 道
第十四章 黙思
第十五章 暑中の修養
第十六章 暑中休暇後の修養
第十七章 迎年の準備
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
35
「不向きな職業を選びて失敗した実例」、「人生の幸福はかくのごとくして得らる」、「逆境の善用」、「高い道と低い道」であった。修養法の目的:自ら省みて、屑(いさぎよ)しとし、いかに貧乏しても、心の中(うち)には満足し、いかに誹謗を受けても、自ら楽しみ、いかに逆境に陥っても、その中に幸福を感じ、感謝の念をもって世を渡ろうとする(31頁)。私にはまだまだ、修養の本質がわかっていないようだ。自分の決心と実行とが両々相伴って、より以上の向上発展が実現されたならば、それこそ真(まこと)の年をとったのである(37頁)。2018/06/16
にいたけ
24
読書会課題本。決心したことを継続して続けることは難しい。できない自分を「意志の弱い奴」と責めていた。この本は1世紀も前に書かれた本であるが継続の困難さ、継続している人の足を引っぱる人達がいることが書かれている。昔も今も本質は変わらないことに安堵。気持ちが楽になった。100人いれば100人とも意見が違う。それに腹を立てるのではなく受け入れる素地を作ることそれが「修養」ということ。習慣化するためのこのアプリの存在は大きい。でなければこんなに読み続けることはなく、飽きてしまっただろう。2020/06/06
kubottar
18
新渡戸稲造といえば「武士道」が有名だが、ビジネス書ライクな修養も中々いい。継続の大切さと憎悪という感情の消し方、それらが勉強になった。2019/01/22
Kemumu
10
最近の自己啓発本より格段に面白い。克己心を養うには、「どんなことでもよいから、少しいやだと思うくらいのこと」を手当たり次第やってみればよいという。瞑想、善行などを学んで行動を変えるのが正当な読み方な気はするが、筆者が若い頃から冷水浴を習慣にしたと聞いて、とりあえず少し冷たいシャワーから初めてみた。2025/03/28
ココマ
4
全体的に青少年向きの印象だが、成人でも誰でも充分励まされたり反省させられたりする本だと思う。著者が指摘する日本人の民度は明治からどのくらい変化してるのだろうか。現代も他人の一面だけ見てやたら人を妬んで攻撃するだの商売と偽り金を盗るだの相手を落とす為に欠点を言い広める等の輩が絶えないだけに、この本が広く読まれ、読者各々が癒され「ここだな」精神で生活を正すきっかけとなる事を願う。前半はビシバシ鞭打たれるような感覚がしたが著者のような賢者が不在に近い今、繰り返しこの本を手にしていきたい。2018/08/07
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