文春新書<br> VWの失敗とエコカー戦争 日本車は生き残れるか

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文春新書
VWの失敗とエコカー戦争 日本車は生き残れるか

  • 著者名:香住駿
  • 価格 ¥804(本体¥731)
  • 文藝春秋(2016/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166610587

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内容説明

世界を震撼させたVWのディーゼル排ガス不正事件を発見したのは米国カリフォルニア州の環境NGOでした。世界販売台数でトヨタと首位を争う巨大企業が、なぜ不正に走ったのか。

 本書ではVW事件の詳細と、VWを不正に追い込んだ、カリフォルニア州の環境規制の内実に迫ります。VWを告発した「カリフォルニア大気資源ボード」のメンバーの素顔や、その意思決定の現場も詳しくレポートされています。

 また、このカリフォルニア大気資源ボードによって2018年から始められる「次期ZEV規制」と呼ばれる環境規制は、世界の自動車メーカーを「エコカー戦争」と呼ばれる苛酷な競争に追い込んでいます。次世代エコカーであるEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)の開発は、各社とも生き残りを賭けて、待ったなしの状況です。

 果たして日本の自動車メーカーは生き残ることができるのでしょうか。本書では、日本の自動車メーカー7社の最新の中期計画をもとに、各社の生き残り策も検討していきます。

本書の構成
第一章  VWの落ちた陥穽
第二章  カリフォルニア州発「エコカー戦争」
第三章  日本の自動車産業一極依存の現状
第四章  自動車メーカーの分析と次世代エコカー戦略
第五章  未来の自動車産業地図

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

C-biscuit

13
図書館で借りる。VWの不正問題が明らかになった頃の本である。最近は落ち着き、販売台数世界一になっているようなので、不正そのものの重さを疑いたくもなる。もっともユーザーにとっての環境性能とは、そういうものなのだろうと思う。そういう意味では今後もアメリカに払う制裁金の効力が正義のような気がする。ことの発端は、カリフォルニア州でのZEV規制であり、ハイブリッド車ですらもうエコカーではない時代のようである。規制の緩和などロビー活動も活発で、向こうの世界ではロビイストなる職業もあるようで、アメリカらしくも思う。2017/06/07

文章で飯を食う

12
カルフォルニアの排ガス規制の作り方には取材の後も見えて、面白かった。しかし、それ以外は新聞や雑誌記事の下手な解釈で首をかしげるところが、多数。タイトルのみ傑作。2016/06/02

スプリント

9
地球環境を守るための規制には賛成です。カリフォルニア州のZEV規制について成り立ちと関わる人々、ロビイング活動についてよく理解できます。ただ、どうにも州の税収を増やそうという狙いが感じられてならないですね。厳しい規制によって技術革新を導ければよいのでしょうが、規制のない地域にしわ寄せがきそうで不安です。日本の自動車メーカの特色が詳しく書かれており参考になりました。2016/02/11

ハパナ

7
本書の本題は「エコカー戦争の中で日本車は生き残れるか」だと思います。カリフォルニア発ZEV(Zero_Emission_Vehicle)規制の説明と今後の展望。日本の自動車メーカーの現状分析と今後の課題についてです。VWの件は後付けではないだろうか。VW粉飾の深堀を期待して読んだので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。2016/06/28

Lila Eule

7
公表資料、報道、伝聞の陳列本。表題のVWは失敗ではなく、犯罪のはず。エコカー開発は競争であって、企業戦争でもなく、収奪的な進め方では実現できない技術競争分野。テスラがZEVのクレジット取引による金融利益狙いとの指摘はさもありなんと。本書で並記の三菱自のリコールとトヨタのリコールは別次元の質の差があり、前者は刑法領域。三菱自に人材・技術・戦略ありと好意的評価には驚いた。新書で珍しい表題のつけ方にひっかかり空振り。2016/04/29

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