内容説明
第一次世界大戦後の日本国内に、極秘で設置されていた保安局六課。いわゆるスパイとして、国内の防諜活動を行っていた。自らの分身を他者に見せることができる特殊能力の持ち主・手嶋はその一員として活動している。ある事件をきっかけに、手嶋らが目を付けたのは陸軍の武器密売疑惑。しかし、真相を突きとめようとすればするほど、何者かが手嶋らを阻む。事件の裏には、想像を超える真実が隠されていた。ノンストップスパイアクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
34
久しぶりの三雲岳斗さん。 『ジョーカー・ゲーム』のような硬派なスパイものを期待すると、ちょっと肩透かし。 タイトル通り、レトロで幻の如くふわふわ。 コミック的な、スパイサスペンスでした。 陰謀のスケールは大きく、アクションシーンやキャラも映像映えしますね。 物語の中にドッペルゲンガーや千里眼が当然のように出てくる事に抵抗がなければ、楽しめます。 ラストも素敵で、シリーズ化を期待です☆2017/04/30
よっち
27
第一次世界大戦後、極秘で設置された保安局六課でスパイとして国内の防諜活動を行っていた手嶋。ある事件をきっかけに目を付けた陸軍の武器密売疑惑の潜入捜査でカフェで働く落ちぶれた華族の令嬢・悠木志枝と出会うスパイアクション・サスペンス。手嶋が追う武器密売疑惑の鍵を握る少女・志枝が持つ特殊な力。そして手嶋の前に立ちはだかる旧知の陸軍士官・高柳。関東大震災直前の二転三転する状況で陰謀の核心がどこにあるのか駆け引きしつつ、その阻止と彼女を救うために奔走する展開はテンポも良く、余韻の残る結末がとても印象的な物語でした。2017/04/04
純子
10
図書館で、ミステリアスな表紙に誘われて。大正時代の、特殊能力を持つ諜報部員の話。史実を踏まえたところもあるのだろうが、ファンタジーで不思議な感じの物語でした。2023/08/15
うさぎや
8
大正時代の東京が舞台のスパイアクション(超能力あり)。手嶋と高柳の、親友ともライバルともつかない微妙な関係がいい。手嶋の能力の発動条件がランダム的なのも面白いなあと。2017/06/11
紅羽
7
舞台は大正十二年の東京。特殊能力を持つ手嶋が軍の癒着を巡るクーデターに斬り込むスパイ小説。先の読めない展開の連続で、どんどん事件は形を変えていき、裏切られて行く予想。最後は結構あっさりめで、さっと溶けて行くような結末でしたが、面白い作品だったと思います。2020/03/20