内容説明
いま日本の人口は、ジェットコースターでいえば先頭が下向きになり、2020年にはストーンと620万人が減ってしまう。農・工・介護などの現場は深刻だ。また税金を払う人が減って年金の維持もおぼつかなくなる。そんな「姥捨て列島」にならない最後の知恵を提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
36
日本さえ外国人の移民を許せば世界中から多くの人が押し寄せるはずという「日本最良国」という幻想。東京にいると全然感じないが、毎年500校以上が廃校になり、どんどんさ寂しくなっている。移民政策とともに、日本4.0にあった包括的なチャイルドケアシステムの構築も、参議院選挙での争点として欲しい。備考:「廃墟地図」のサイト、行ってみたいところがたくさん。2019/07/06
おさむ
35
移民受入論者の著者の主張は真っ当で、頷ける。人口減少社会を乗り切るためには日本人の意識変革が必要。日本はその歴史を振り返れば、中国や朝鮮から多くの人々を受け入れてきた。決して無理難題ではないと思う。もう残された時間は少ない。2018/02/01
hatayan
31
人口が大幅に減る未来を前にして日本が活力を維持するには、外国人の定住化を進めるほかないと力説する一冊。 2000年の小渕政権の時代には移民施策の必要性が既に認識されていて、現政権は事実上移民の受け入れにゴーサインを出していると説きます。 しかし、現行の制度は外国人を現場の単純労働者として位置付ける例が主で、外国人を日本人と同じ待遇にする目線には立っていません。 優秀な人材の移住先に選ばれるには、日本人と同等の教育機会を提供すること、移住者を歓迎する多文化共生の考え方を普及させることが必要だとします。2018/12/22
onasu
30
人口減少、少子高齢化といわれて久しいが、僕ら、特に都市住民は普段その徴候が見て取れないだけに、早ければ10年後にもという、この大問題に目を背けているのではないか。 現下の人手不足をその徴候と捉えるか否かは微妙だが、とりわけ労働人口の減少は、確実に世の中が変わらざるをえない。女性の労働力化、技術の進展もあろうが、それでは事足りない。 そこで取り得る手立ては、移民の受け入れしかないという。昨今は移民政策のない割に外国人就労者が増えているが、とても良好とはいえない。未来に思いを馳せるに、好材料だと思います。2017/11/16
mazda
29
個人的には無計画な移民政策には反対ですが、著者の言う小規模からのスタート、親日的な国に限定しての受け入れ、受け入れに相応しい人材基準の策定、があれば、避けられない少子高齢化に対する1つの回答になるのかも知れません。一旦少子化が進むと、自国民だけでそれを解決するのはやはり難しいですし、いくらロボットが活躍するようになっても、彼らは消費も納税もしてくれないので、GDPに影響を与えません。やはり生身の人間が必要となれば、今こそ考える時期なのかも知れません。2017/11/13