内容説明
『沈黙』『深い河』『死海のほとり』…遠藤作品を神学と文学の接点から捉える。作品中に散りばめられた象徴や隠喩の奥に浮かび上がる形而上的世界。ドストエフスキーやG・グリーンとの対比により、作品理解の新たな「方法論」的提案を行う。
目次
序 宣教師ポール遠藤の生涯と文学―真にグローバルなキリスト教をもとめて
1 神学と文学の接点―「神の母性化」をめぐって(神学と文学の接点からみる『沈黙』―笠井秋生氏の『沈黙』論をめぐって;小説『沈黙』の肝、「切支丹屋敷役人日記」を読む―その史実改変の意味;神学と文学の接点からみる『沈黙』2“神の「母性化」”―ロドリゴの「烈しい悦び」をめぐって)
2 象徴と隠喩と否定の道(神学と文学の接点―キリスト教の「婚姻神秘主義」と遠藤の「置き換え」の手法;遠藤周作『わたしが・棄てた・女』―「否定の道」としての文学;『留学』第三章における象徴と隠喩―「白」「赤」と「ヨーロッパという大河」;遠藤周作とドストエフスキーにおける「象徴」と「神話」について―「蝿」と「蜘蛛」と「キリスト」と)
3 対比文学研究―遠藤周作、ドストエフスキー、モーリアックとG.グリーン(多面体の作家遠藤周作とドストエフスキー―作品の重層的構造分析による「対比文学」研究の可能性;『沈黙』と『権力と栄光』の重層的な構造分析による対比研究―主役はユダか、それともキリストか;神学と文学の接点『深い河』と「創作日記」再訪―宗教多元主義VS.相互的包括主義;『死海のほとり』歴史のイエスから信仰のキリストへ―“永遠の同伴者イエス”を求めて)
付録
著者等紹介
兼子盾夫[カネコタテオ]
湘南高校卒。慶應義塾大学哲学修士。上智大学神学部後期博士課程満期退学。横浜女子短期大学教授、朝日学生新聞社顧問、関東学院大学キリスト教と文化研究所客員研究員、上智大学キリスト教文化研究所客員所員を歴任。日本キリスト教文学会、遠藤周作学会、比較思想学会、上智人間学会会員。カトリック藤沢教会信徒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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