内容説明
漱石生誕150年。こんな読み方があったのか!漱石研究をリードしてきた名コンビが読めば、漱石文学の読みの可能性はまだまだ泉のように湧いてくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
23
夏目漱石の作品を巡る対談本。もう少し、楽に読めるかな、と、思っていたら、結構、難しかった。夏目漱石の作品自体、高校生の頃にチラッと読んだだけなので、作品論を読んで楽しい道理もないけど。夏目漱石にこだわり続けてきたお二方が眩しい。夏目漱石自体に詳しくなってから読むべきでした。2017/07/16
Akito Yoshiue
12
面白くて刺激的で・・・。授業でも披露したい部分が多数ありました。2017/05/29
amanon
5
いささか意表をつくようなタイトルに、つい某有名写真家のフレーズを連想したが、いみじくもそれを意識いたと知ってちょっとびっくり(笑)。それはともかくとして、柄谷氏のようなテキスト論的読みとは違って、こちらは歴史的社会的背景に基づいて、精緻に読み込むというスタンスで、そのあまりに微に入り細に入りテキストを論じる著者二人の熱さに、良くも悪くもあてられたという感じか。ただ、時折、意見の相違を見せるものの、総じて同意で終わるという展開に、やや物足りなさを覚えたのも否めない。それでも、漱石の作品の奥深さを再認識。2024/08/02
Shun'ichiro AKIKUSA
2
あとがきの花粉症のマスクの話がおもしろい。2017/06/14
田中峰和
2
40歳で朝日新聞に入社した漱石は第一弾として「虞美人草」を連載。朝日が山の手文化人の新聞なら読売は庶民的なのか、読売掲載の「金色夜叉」「不如帰」を批判した漱石は力み過ぎたのか、その後の作品に比べ「虞美人草」は異質だった。題名が女主人公に絡むのも珍しい。ヒロイン藤尾を殺さざるを得ず、構成上の問題を残した。知名度は高くないが「坑夫」で一皮むけたと評される。前期三部作として評価の高い「三四郎」は主人公の世間知らずぶりが現代女性にはバカにされる。美禰子の思わせぶりな態度はからかうだけ。勘違い男と見下されたという。2017/06/08