内容説明
戦車の砲身がこっちに向いた。次の瞬間、鼓膜が破れそうな爆音と同時に顔面に痛みが走った。無数に突き刺さるコンクリート片とともに男・宮嶋は歴史の目撃者となった。死んでもカメラを離さない男・宮嶋のバクダッド取材記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
16
パレスチナホテルが砲撃された部屋は1501号室、宮嶋氏がいた部屋は1508号室でベランダで戦車が橋を渡ってる所を写真に撮ってる時に部屋に吹き飛ばされた。ここで佐藤、山本ペアが登場して救助と撮影をしていたようです。バクダッドに米軍が突入すると略奪が横行する。彼等は官庁、図書館、博物館を略奪、放火する、イラクは米軍がきっかけだがイラク人により崩壊させたように感じました。まぁ米軍が守ろうとしなかったのが問題ですけどね、国が滅ぶ所を見るのは辛くて悲しいです。最後はちょっと感動する終わりでした。2018/09/01
CTC
9
下巻である。14年前のイラク戦争中の映像で、鮮明に覚えているのは、米軍のM1戦車が報道陣が宿泊するホテルを誤射してしまったシーンなのだが…。宮嶋氏は同じホテルの同じ階に居て、瞬間をスチールで押さえて居たのですな。。そして共同通信はそのシーンを動画でモノにしていたのだが、「なぜか虎ノ門の本社でオクラ入り」となってしまったそう。。 バグダッド陥落にイラク側(米軍従軍ではなく)で立ち会ったジャーナリストは錚々たる数十人だそうだから、そこに週刊文春が2人居たというのは大したものである。2017/03/30
totssan
3
忘れたころにまた宮嶋節を聞きたく読む。こんな強烈な状況に行こうとは全く思えないが、カメラ持って乗り込む人々がいる。写真の裏の現場そのものの記載も強烈。20年前の戦争記ではあるが、今もどっかで同様の事態が続いている。何とかならんもんか。そういえば宮嶋氏がこの取材の後、よくTVで出ていたのを思い出した。怪我した話やM1戦車が砲を向けた話もあったのだろうが、やはり1年後に橋田氏の訃報を聞いた時の事が思い出される。厳しいのう・・。2023/06/03
takahiko
3
読後、著者のホームページ「イラク戦争フォトギャラリー」を併せて見ると、より臨場感が伝わってきます。2011/05/24
リリコッテ
2
また再読。 止めどころが分からない面白さだよね、といつも思います。 戦場の恐ろしさを感じます。前読んだ時もそうでしたが、ファドと再会したくだりは、読んでるこっちも懐かしさを感じてしまう。 上下巻で長いからかしら。2015/03/10