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内容説明
日本社会が行き詰っていることは明白だ。このような状況から抜け出すヒントが新約聖書に書かれている。(「もっとキリスト教を知りたい人のために-あとがき」より)
巻2には福音書以外の、使徒言行録、書簡集、黙示録を収録。
【目次】
・教祖イエスと開祖パウロの物語-序文にかえて
・反知性主義の宗教としてのキリスト教-「使徒言行録」案内
○使徒言行録
・「わたしの肉には、善が住んでいない」-「書簡集」案内
○書簡集
・二つの怪物、それは国家-「ヨハネの黙示録」案内
○ヨハネの黙示録
・わたしは如何にしてキリスト教徒になったか-私の聖書論2
・もっとキリスト教を知りたい人のために-あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
72
2010/11/27 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2015/7/13〜7/27 佐藤優氏の新約聖書シリーズ第二弾。使徒言行録、書簡集、ヨハネの黙示録が収められている。有名なヨハネの黙示録を初めてちゃんと読んだが、聖書全体通じてそうだが、非常に難解。佐藤氏も最後に書いているように、そこがキリスト教の強みなんだろう。キリスト教社会の根底を知る、という当初の目的が達成されたかどうかは疑わしいが、兎に角聖書を通しで読めたことは良い経験であった。2015/07/27
Vakira
25
パウロさん これは読んで良かった。Ⅰでマタイ、ヨハネ、マルコ、ルカの福音書を読みましたが、ここではキリストの神としての機能、行動として神の奇跡を讃える場面が多く、教えとしての考えが心に響かなかった。しかし、パウロさん凄い。多分パウロさんがいなかったらキリスト教は普及しなかったと思うよ。パウロさんの使徒言行録、書簡集、教えとして判りやすいし、考え方も理解し易い。まずユダヤ教からの解放、神はユダヤ人だけでなく、信仰する者全て救済する。そして律法も割礼もいらない。神を信じれば自由であり、救済される。2015/09/10
RIN
10
福音書と違い、2巻はイエス・キリストが天に昇った後の記録。使徒言行録と書簡集はキリスト教を開いたパウロの信仰と苦難の歴史であり、各人が神と向き合う心構えでもある。対してヨハネの黙示録は短いながらも解説無しでは理解しがたい。私はキリスト教の諸教派も、聖書が現在どの様な解釈でどの様に伝えられているのかも知らない異邦人だ。パウロは書簡の中で『できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい』と綴っている。神を迷わず信じるのは難しい。けれど彼の想いは、時代も宗教も国も全て超える価値があると思っている。2022/04/21
shimashimaon
4
初めて新約聖書を通読しました。ユダヤ教徒であったサウロがキリスト教徒パウロに変わる辺りは興味深いですが、キリスト教徒としての信仰と行動を説くその内容は教科書を読むようです。本書I巻「福音書」は面白いと思いましたが、「書簡集」等で強調される終末論は素直に受け入れられませんでした。三浦清美『ロシアの思考回路』や本書でも言及されるチェルノブイリの意味を知って、終末論を考えることは一つのテーマです。完全他力本願、人間が作ったものを崇拝してはならないという思想は魅力的に感じます。これからもキリスト教を学びたいです。2022/12/03
Viola
4
改めて、パウロの力強さと賢さを実感、実際に生きた人としての人間性に触れました。通読してみると、パウロの心の中が垣間見えたり、連絡事項が生々しかったりして読みやすかったです。いくら聖霊によって改心したとはいえ、イエスに会ったこともないパウロがここまで熱い伝道者になるとは。伝道の仕方も頭脳的計画的で、ローマの市民権を取ってローマ寄りを示し、神殿に入り込んでユダヤ教の儀礼を守りながら伝道していく、という緻密さが今日のキリスト教につながったと思うと貢献度は弟子以上です。佐藤氏の黙示録の解説も面白かった。2017/04/14