内容説明
当代最高のハードボイルド作品と言われるハリー・ボッシュ・シリーズ!今作はすべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという、ハリー・ボッシュの信念を象徴しているかのような記念碑的作品です。ロス市警ハリウッド署殺人課のボッシュ刑事は因縁の未解決事件を捜査するが、市警上層部から思わぬ妨害を受ける。秘密裡に単独で行動するボッシュに危機が迫る!
目次
第二部 言葉と写真(16~25)
第三部 放蕩息子の刑事(26~35)
白雪姫 二〇一二年
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
139
ボッシュシリーズ初期の頃のヴェトナム戦争が兵士にもたらした悲劇のようなものでなく、湾岸戦争に従軍したどうしようもないヤツらの悪行といのがいい。こういうのがマンネリにならない面白いシリーズの条件なんだろうな。最後に現れる味方の意外性には嬉しい驚き。娘に関しては、やはり出来過ぎ感が残念。2017/12/19
KAZOO
133
下巻でも地道な活動が圧力に邪魔されながら描かれています。家庭のことなども出てきます。ロス暴動をたまたまきっかけとしていますが、それ以前の戦争での出来事が引き金となっているのですね。最後の最後まで楽しませてくれました。2017/05/23
のぶ
80
上巻で単調だった話の流れが下巻に入り大きく動き出した。ジャーナリストの殺人事件を追うが、使用されていた銃が湾岸戦争の軍との関わりが明らかになってくる。今までのボッシュシリーズに比べレギュラーメンバーの登場は控えめで、ボッシュの独壇場という印象を受けた。また本作では話の展開がそれほど大きくなく小さく纏まった感じはあるが、ファンとしては安定の面白さだった。本書は2012年の作品。未訳の作品が6作ほどあるようで、コナリーファンとして早い時期の訳出が待たれる。2017/08/06
goro@the_booby
73
違法な捜査で手に入れた証拠は裁判に使えない。物語の結末としてはああするしか方法は無かったのだろうけど、今のボッシュは一人じゃない。守らなければならない娘がいる。今までのような捜査は出来ないはず。犯人逮捕に入れ込むのは分るがフェアじゃないぜ。だからコナリーはこんな結末にするしかなかったのだろうか。まぁ面白いんだけど歯痒い思いですわ。2018/08/20
sayan
63
物語が展開するたびに某TVの主人公の影がちらつく…。単純な懲悪勧善ではなく、どっちを向いても「政治的」に蠢く内容に、現場捜査官の苦悩が現れるシーンは読み所か。とは言え、個様々な伏線は「意外とあっさり」回収され、あれよあれよという間に物語が終わってしまった。うーん上・下巻でなくても1冊でよかったかも。2020/05/24
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