内容説明
当代最高のハードボイルド作品と言われるハリー・ボッシュ・シリーズ!すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという、ハリー・ボッシュの信念を象徴しているかのような記念碑的作品。1992年のロドニー・キング殴打事件にはじまったロサンジェルス暴動。ロス市警ハリウッド署殺人課のボッシュ刑事は、相棒のエドガーとともに、市内警邏の応援に駆りだされていた…。因縁の未解決事件に再び迫る。
目次
白雪姫 一九九二年
第一部 銃の散歩 二〇一二年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
138
前作の元上司と元同僚との対決は、少しおあずけなのかな。1992年のロス暴動の中で殺されたデンマーク人女性ジャーナリスト。騒乱の中、最初に駆けつけたにも関わらず、自分が担当出来ず未解決となった事件を20年後にボッシュが追う。湾岸戦争がどう絡むのか。展開はすごくいいのだが、鼻白むところがどこかあり、考えてみるに娘との関係かな。こんな娘、いるわけないよな、と思ってしまった。出来すぎた感というか。2017/12/18
Tetchy
135
コナリー25作目で作家デビュー20年目の節目の作品でそれを意識してか、内容も20年前にロス暴動に巻き込まれた女性外国人記者殺害事件の再捜査だ。物語の発端はシンプルながら、事件の捜査が進むうちに判明してくるプロットは複雑で混み入り、謎が謎を呼ぶ展開は全く以て飽きさせない。たった1つの薬莢から切れそうな手掛りの糸を辿り、事件の真相へと繋がっていく展開はまさにスリリングだ。そしてこの20年目の作品で扱われるのは戦争に纏わる忌まわしい過去。21世紀になった今、扱われるのはヴェトナム戦争ではなく湾岸戦争なのだ。2019/12/08
KAZOO
129
これも2分冊になっているのですね。1冊にできると思うのですが、出版社の事情なのですかね(前にも書いたことがありますが)。待ちに待っていたハリー・ボッシュシリーズです。20年前の事件を再捜査し始めますが、おなじみのように圧力的なものがかかり始めます。ボッシュの娘とのやり取りなども出てきて父親としての役割も果たしているようですね。2017/05/23
エピファネイア
88
1992年の4月から5月にかけて発生したロサンゼルスの暴動。非常態勢の中でサウスセントラル地区での緊急輪番担当に放り込まれたボッシュは外国籍の白人女性記者の死体を発見する。至近距離から撃たれていたがその時は捜査に時間を費やすことができず、最低限の証拠品の確保などを行うのみであった。それから20年。ボッシュが未解決事件班のメンバーとして再捜査に乗り出す。20年前に見つけていたわずかな手掛かり(薬莢)を頼りに真実を追い求めるボッシュ。そんな中、上層部がまた圧力をかけ始める。上下巻で600頁の大作。下巻に進む。2023/05/13
のぶ
71
まだ上巻を読む限りだが、自分はハリー・ボッシュのシリーズが好きなので、その作品世界を楽しむことができて嬉しく思う。今回は1992年のロスアンゼルス暴動に端を発して、その最中に起きたジャーナリスト殺人事件を追うという展開のようだ。そしてブラックボックスがひとつのキーポイントになっているようだが、上巻では展開が淡々としていて先の流れが読めないし、やや退屈に感じる部分もあった。この先どんな展開が待っているのか?下巻に期待します。2017/08/05