挑発する写真史

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挑発する写真史

  • 著者名:金村修/タカザワケンジ
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 平凡社(2017/05発売)
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  • ISBN:9784582231274

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内容説明

現実を撮っても、真実は写らない。写真は現実から何かを奪っている。
都市を撮り続ける写真家と、写真の最先端を読み解く評論家。
「撮ること=見ること」という視点から、写真の《正体》に対話で迫る。
タカザワ「すぐれた写真家は自分自身の写真史を持っている」、金村「写真って言葉ですよ。言葉を誘発します」
タカザワ「写真家の見方っておもしろい!」、金村「この歳になって、真実に気がつきたくなかったなって(笑)」
写真の「上手/下手」、写真を「撮る/撮らない」、写真家の「純粋さ/仕事」、写真家の「正解/誤解」。
写真の《歴史》を象るものとは。講義は「芸術か、記録か」の範疇を超えた――。
○装幀・デザイン=大原大次郎、宮添浩司
<目 次>
第一講 モダニズム写真の源流
ウジェーヌ・アッジェ、ベレニス・アボット、ウォーカー・エヴァンス
第二講 芸術写真か、写真芸術か
アルフレッド・スティーグリッツ、荒木経惟、1970年代の自主ギャラリーの作家たち
第三講 スナップショットの輪廻転生
アンリ・カルティエ=ブレッソン、森山大道、牛腸茂雄
第四講 リアリズムとは何か
安井仲治、土門拳、ダイアン・アーバス
第五講 アメリカン・ドキュメンタリーと日本
ロバート・フランク、鈴木清、春日昌昭
第六講 ニューヨーク近代美術館の“ドキュメンタリー”
リー・フリードランダー、ミラーズ・アンド・ウインドウズ、ゲイリー・ウィノグランド
第七講 商業写真と作家主義
アーヴィング・ペン、リチャード・アヴェドン、篠山紀信
第八講 写真はすべて平面である
桑原甲子雄、中平卓馬、ルイス・ボルツ、渡辺兼人
第九講 現代美術の中の凶暴な写真
ベッヒャー夫妻、深瀬昌久、ウィリアム・エグルストン
最終講 虫喰いの写真史から立ち上がる「新しい写真」
<著者について>
金村 修(かねむら・おさむ)
1964年、東京都生まれ。写真家。20代半ばまでミュージシャンを志す。1989年、東京綜合写真専門学校に入学。タブロイド紙配達のアルバイトをしながら、都市の写真を撮り始める。在学中の92年、オランダの写真展「ロッテルダム・フォト・ビエンナーレ」に作品が選出される。93年、東京綜合写真専門学校研究科を卒業。同年に最初の個展を開催する。95年最初の写真集『Crash landing』を刊行。96年、ニューヨーク近代美術館が行なった展覧会「New Photography 12」に「世界に注目される6人の写真家」のうちの一人として選ばれる。97年、東川町国際写真フェスティバル新人作家賞、日本写真協会新人賞受賞。2000年、史上2番目の若さで、土門拳賞を受賞。14年、伊奈信男賞を受賞。
タカザワケンジ
1968年、群馬県生まれ。写真評論家。91年、早稲田大学第一文学部卒業。「アサヒカメラ」「IMA」「PHaTPHOTO」などの写真雑誌に寄稿。評論のほか、写真家への取材、写真集の編集構成、国内外の写真展やフォトアートフェア、フォトフェスティバルへの取材、写真をテーマにした実験的な展示など、現代写真の最先端に目配せしつつ、写真全般について精力的なフィールドワークを続けている。携わった写真関連書に、高梨豊著『ライカな眼』(毎日コミュニケーションズ、編集・構成)、渡辺兼人写真集『既視の街』(東京綜合写真専門学校出版局+AG+ Gallery、構成・解説)、Val Williams『Study of PHOTO 名作が生まれるとき』(ビー・エヌ・エヌ新社。日本語版監修)など多数。東京造形大学、東京綜合写真専門学校、東京ビジュアルアーツで非常勤講師を務める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideki Kamauchi

1
前半、普通に読みやすく、著者名やタイトルから想像される過激さはないなぁと思っていたのですが、後半から本領は発揮されます。面白かった!2017/03/07

turutaka

0
写真による表現を、複数の写真家を対象として立体的に浮かび上がらせるという試みが面白い。 今までなんとなく名前を知っていただけの写真家も、このように語られることで急速に血肉をもったものになって目の前に迫ってくる。 機械を通じて、現実を複写する写真という表現方法が、芸術になるか否かという点において他の表現方法とはそもそもの出発点が異なるところが面白い。 情報量がハンパないので、手元において繰り返し読みたい本である。2022/09/19

みやったー

0
写真家金村修と評論家タカザワケンジによる(本人たちも認める)いい意味で偏った写真史。森山大道や中平卓馬といった国内写真家の大家から、カルティエ=ブレッソン、ベッヒャー=シューレの面々といった海外の有名写真家たちについて、金村・タカザワそれぞれの個人的な感情や自分の作品との対比等を織り交ぜながら知ることができた。金村作品のファンなので、鈴木清、春日昌昭、ルイス・ボルツなど影響を受けた作家たちを知り、その作家としての背景を知ったことで、金村が写真家の純粋性を求める姿勢が感じられたように思われて興味深かった。2021/09/22

ふくろう

0
読了。おもしろかった。でもこの本の内容を深く理解するには、ある程度、写真家や写真史のことをかじっておいたほうがいいと思う。写真史では「たのしい写真ーよい子のための写真教室(ホンマタカシ)」がよかった。写真家はたくさん出てくるけど、それぞれの写真が大きく紹介されるわけではないので、画像検索しながら読むとかするといいかも。あとがきにも書いてあったけど女性写真家が少ない。ナン・ゴールディンとか川内倫子とか蜷川実花とかビビアンマイヤーとか並列で紹介してほしかったな。2020/04/05

So Honda

0
対談の収録なのでやや言葉にブレがあるが、写真と現実との関係の観点から写真史を語っているのが興味深く読めた。言及されている写真家の作品を改めて観たい。2019/02/05

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