内容説明
大正から昭和初期にかけて、ミッションスクールや教会、商業建築から一般住宅まで、日本各地で数多くの建築物を設計したウィリアム・メレル・ヴォーリズ。今なお現存する名建築を熱愛するファンも多い。ヴォーリズは二大著作『吾家の設計』『吾家の設備』を残したが、長年入手困難で幻の書となっていた。今般この二著を完全翻刻のうえ、注と解説を加え復刊。いかに生活環境を整えるか、という普遍的で切実なメッセージがいま甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akihiro Nishio
27
だいぶ前だが、近江八幡に出張した時に買ったご当地本。アメリカ出身の建築家ヴォーリズが、良い家とは何か?どういう家に住めば健康で文化的な生活を送れるかというテーマでの講演をまとめたもの。単に西洋建築を賛美するのではなく、日本家屋を理解し、和洋折衷や日本家屋の改築についての考察も深い。100年前の本だが、現代住居の特徴は、この本でほとんど出尽くしている。しかも、後書きで知ったが、ヴォーリズは建築を専門で学んでいないという。凄すぎる。しかも若い時はかなりのイケメン。滅茶苦茶モテただろうなぁ。2019/10/18
林拓哉
0
これぞヴォーリズという一冊。ヴォーリズの持つ建築感は今の時代に残っていくべきもの。 今で言う建築計画という考えのもともとの部分をおさえている。さてはて現代の建築を見てみると、どうも見た目などにカネをかけすぎているのではと思わざるを得ない。オフィスとか商業施設であるのならばまだいいが(中にはその機能さえも十分に満たせていないものもあるが)住宅となってくると第一は住みやすさであろうと思う。なぜにすべて打ちっぱなしのコンクリートなのか、住みやすさを忘れてはいけない。今一度建築とはどうあるべきか考える必要がある。2017/05/07
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- 週刊ダイヤモンド 14年5月31日号 …