内容説明
ドゥルーズの最重要主題でありながら正面から論じられてこなかった「狂気」を読みとりながら、まったく新たなドゥルーズ像を描き出すとともに、新たな生と狂気のありかたを開く衝撃の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
58
感心したのは、序文だ。ぶっちゃけドゥルーズ+ガダリの論文は理解できない箇所があるそうで、この本はそれらも考慮してわからないものをわからないままに語れる講義形式にしているのだという。この研究者でさえも彼らのテキストの二三割はよく分からないのだという。通りで解説書自体がさっぱり分からんのはそういうことかと。「アンチ・オイディプス」の出版当時のことや後世の評価など。彼ら著作の限界なども。精神分析や精神医学などのことなど幅広いトピックを扱う。この著作の名前に覚えがあると思ったら、永井均と共著を書いていた人だった。2017/05/29
またの名
9
ひきこもりや独居老人がアニメやゲームやウェブのイマージュの飛び交う他者なき世界に移行するといった、難解な思想についての本とは思えない豊富な具体的事例で説明。マゾヒストが、粗野で愚鈍な混血児が、獣人が、怪物的人間が、独身機械が、分裂病が、スキゾイドが、サイコパスが、孤独な労働者が、常識的良識的思考から逃走する方途としてドゥルーズ哲学の狂気の理念となる様を描く。当時の文脈と空気感を確認しつつその後の受容を思想史的に総括する語り口は、何事も「馬鹿らしい話です、流します」と突き放すようでいて様々な流れに開かれる。2014/11/29
坂口衣美(エミ)
8
おもしろい。狂気とはなんぞや?心理をかじった者としては「病気・障害」と「狂気」の違いというか、それらがどのように認識されてきたのかはとても興味深い。興味というと野次馬的なものに感じられるだろうか?それに私も「あたまのおかしい」ひとだしなあ。病気といえば病気、狂気といえば狂気、というところはあると思う。倫理とか善悪の視点では考え方が変わるけど。哲学書をもっと読みたいな。2015/03/17
eirianda
5
この社会は欲望強く統失的で、コード化と脱コード化さらに再コード化して変化を続ける。新しい人間像はサイコパスの中に見出されるであろう…。保守とかリベラルとかもう吹っ切れてる感じで、現実に何が起ころうと客観視できそう。私、社会派ではないので。とか言って。未来にタイムスリップしたらサイコパスだらけで今の常識良識が全く通じないというSFを誰か描いてないだろうか?2015/02/05
ひかり
3
人形を死児と見做しているのでも見做していないのでもなく、ただ、抱いている母親。/353ページの、ドゥルーズの書く「共同体」が気になったので、バートルビー論を読みたいと思った。「われわれにはこれ以上のことはできない」、けれど、政治的計画を描いている2022/04/09
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