内容説明
藩を二分する暗闘に巻き込まれ、斬殺された妻の志保が最後に残した言葉「え……ど」に導かれ、弓削玄之助は江戸をめざした。瓦版屋に身を寄せて事件の原稿を書きながら、妻の死の真相を探る玄之助のもとに、国元から次々と謎の刺客が送り込まれる。秘剣「鍔落(つばおと)し」が冴え渡り、命がけの戦いの果て、玄之助が掴んだ真実とは。
感想・レビュー
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優希
52
惨殺された妻・志保の言葉に導かれるように江戸へ向かった弓削玄之助。藩を二分する暗闘の事件を書きつつ、死の真相を探索する姿が格好良いと思いました。次々と送り込まれる謎の剣客に玄之助の剣が舞う姿を想像するだけで時代ドラマを見ているような気持ちになりました。面白かったです。2021/05/15
史季
0
この時期、花粉症の私にとっては、最高の読書タイミングです。 仕えた藩の内紛で妻を切り殺され脱藩した弓削玄之助は、瓦版の執筆で、糊口をしのぐ、浪人。玄之助を主人公とする短編集形式になっております。 瓦版の依頼を筆と剣で関与しております。悲話が多い気もします。秘剣鍔落としなど、時代小説らしい内容だと思いました。2014/03/07