内容説明
江戸時代に空を飛ぼうとした男がいた!
近江国友の鉄砲鍛冶の一貫斎は旺盛な好奇心から、失敗を重ねながらも反射望遠鏡を日本で最初に作り上げる。
「日本のダ・ヴィンチ」と呼ばれた男、稀代の発明家の生涯。
直木賞作家、山本兼一さんの遺作が文庫で登場。
近江国友村の鉄砲鍛冶である一貫斎は村の訴訟に巻き込まれ江戸に出ることになった。
太平の世に鉄砲の注文は減り、村は景気が悪く寂れた状況にあった。
江戸に出た一貫斎は持ち前の好奇心で交友を広げ、オランダ渡りの新式鉄砲の修繕を依頼される。
見事に鉄砲を直した一貫斎は独自の工夫によって改良型まで作ってしまう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
71
江戸時代後期の鉄砲鍛冶国友一貫斎。この小説で初めて知った人物でした。単なる鉄砲鍛冶に終わらず、森羅万象の理を突き止めたいという意欲に満ち溢れた人物。「火天の城」や「いっしん虎徹」など、山本氏はその道一筋に邁進する職人を取り上げ、活き活きとした活躍を描くのが上手いと思う。さて、後半も読むのが楽しみだ。2017/03/30
あつし@
16
物語の世界にどんどん引き込まれて一気に下巻まで読んでいる。山本兼一氏の遺作。「火天の城」「花鳥の夢」と時代(歴史)小説の面白さを教えてくれた作者。築城、絵画、ものづくりと創作者の共通点からそれぞれの人に光を当て生き生きと描いた作品。本作の人は近江国友の鉄砲鍛冶一貫斎。知らなかった。「わたしは、技術を学び、よい道具をつくって世の人々を幸せにしたいのです」・ ・全く別の世界に生きているが、ものづくり職人さんの仕事に尊敬と憧れを抱く者として興味は尽きない。2017/05/31
塩崎 周司
10
一晩で一気読みである。近江の鉄炮鍛冶一貫斎は鉄炮・大筒だけでなく、優れた発明家である。例えば、万年筆ならぬ万年筆だったり、空気銃だったり、自動給油式燈明だったりするのだが、その発想力と失敗にめげない根気力は科学者の鑑である。次はどんな発明があるのか、ワクワクドキドキ感満載だ。早く次が読みたい。ということで、下巻へ急ごう。2017/05/08
yasu7777
4
★★★☆☆2019/05/24
まるこ
4
空気銃や、望遠鏡などなど、発明した鉄砲鍛冶の一貫斎。日本のダビンチと言われたひと。当たり前のことを受け入れるのではなく、常にその道理を考え、発明に繋げてゆく。コツコツ積み上げていく様は、とてもカッコ良い!! 近江の長浜に、こんなひとがいたなんて、びっくりです。 下巻も楽しみ!2017/06/27




