内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
熱烈なファンを抱えるこうの史代原作の「この世界の片隅に」が、2016年11月に劇場アニメとして公開された。第二次大戦時の広島の軍都、呉を舞台に一人の女性、すずの生活を描く。戦時の生活を細密に描き、読者の圧倒的共感を博した原作の魅力を存分に映像化!その製作現場を紹介。ロケハン写真、膨大な資料の一部、メイキングのプロセスも紹介。片渕監督とこうの史代、キャストの面々のインタビューも掲載予定。フルカラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
137
映画公開を前に読了。こうの史代さんの作品に始めて触れたのは、「夕凪の街 桜の国」である。広島物は何となく敬遠してきたが「夕凪の街 桜の国」の持つ優しさと哀しさ、そしてやり場のない怒りに夢中になった。本作「この世界の片隅に」は広島から呉へ嫁いだ北條すずの生活を、淡々と優しく描く。戦局の悪化とともに悲壮感は増す。おそらく、戦前から戦後にかけての日常を忠実に再現し、追体験させてくれる貴重な作品である。こうの史代さんの作品には根底に毎日を懸命に生きる人々への愛情を感じる。一人でも多くの方に観て頂きたい作品です。2016/11/08
えちぜんや よーた
93
何の予備知識もなく映画館で見たら、そのリアルさに圧倒されてそれ以来大ファンになりました。そのこだわりというかオタクさ?というかその熱量が伝わってきます。戦時中の食事を自分で作ったりとか、クラウドファンディングで制作費を集めたとか、声優としてのんさんへの演技裏話とか。近くDVDが発売されるらしいので、本書を読みながら合わせて鑑賞すると映画館で鑑賞するのとまた違った味わいの「この世界の片隅に」が楽しめると思います。2017/08/02
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
69
映画『この世界の片隅に』はパンフレット売り切れ続出らしい。買えなかった人には本書をお薦めしたい。ストーリー、インタビューはもちろん。スタッフが傾けた情熱の一端が伝わる。のん(能年玲奈)が北條すず役を「命懸けでやります」と監督宛ての手紙に書いた話も良い。情熱はこの様に見詰める如く静かに燃やすものである。広島県の街の姿の再現振りは素晴らしい。映画を観た時にも思ったが、写真や映像以上に絵というのは現実を突き付ける。映画だのアニメーションだのの世界は凄い知識人がいる。学校の勉強を侮る者が多いが、無駄ではないのだ。2016/12/05
り こ む ん
48
世界観の作り方、こだわり、作成までの道のり。パンプレットと重複はしているけれど、こちらのがより細かく知れるかな。すずさんの食卓…体験してみたいな。祖母はすいとんを嫌っていた。戦時中を思い出すからと。映画の中でも食事がどんどん粗末になっていくのが印象的でもあったから…どんな物なんだろうと思う。死が隣にある日常で、生きてきた祖母たちの力強さ、生きていくという姿勢を食事から学べるような気がする。2016/11/26
東谷くまみ
43
2回目の鑑賞。前回みた時はレビュー書けないくらい胸を打たれた😭戦時下の生活が苦しくても、みんな少しずつ幸せを重ねて毎日を生きてる。同じ時を過ごすことで芽生える愛、みつけつつある自分の居場所…笑いあったり怒ったり。何気ない日常を丁寧に描くことで日常の中に忍び寄る戦争の濃い影、不気味さがより一層伝わってくる。玉音放送を聞いたあとのお義姉さんの慟哭が胸をつく😭😭あの時代を生きた人々も私たちと変わらない日常を送っていた…戦争を知らなくてもそれを知ってるだけで平和への思いを強くすることができると思うんだ。2023/05/30