内容説明
京都で暮らす大学生・直史とその妹・まどかのお役目は、あやかしを語り、命を与える「語り手」。あやかしたちのお礼の品は、おいしい海の幸・山の幸。 間を取り持つのは、うさぎに変化する神様・ククリ姫。みんなで食卓を囲む日々が始まってから早くも半年。謎めいた「からくさ図書館」の館長さん、助手の時子、上官の安倍晴明。さまざまな出会いを経た直史は、自分の進むべき道に巡り合い――。悠久の古都・京都で語られる、異類交遊ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
81
妖怪に活力を与える物語を書き綴る直史、挿絵を描くまどかの二人は、京都に激増し始めた毒キノコの勢いを削ぐために力が必要な、滋賀県に建つ茸を祀る神社・くさびら神社で暮らすべにたけ明神から物語を書いて欲しいと頼まれてしまい…。二人の兄妹が『からくさ図書館来客簿』に登場する篁や時子、安倍晴明や茜と京都の吉田山で蹴鞠に興じたり、物語を書く手がかりを求めてからくさ図書館の蔵書を閲覧したりと、前作の読者にとっては大興奮の一冊でした。干し柿をすり潰して漉した物を入れたお酒である柿浸しを、私も一度味わってみたいと思いました2017/03/27
佐島楓
51
会話中心で置いてきぼりにされた感じを前作と同様に持った。おばんざいを作るシーンは、心がこもっていて美味しそうと思える。2017/03/04
真理そら
46
このシリーズはこれで完結。金沢出身で京都で学生生活を送る直史とまどかの双子はあやかしの物語をネットで発表することであやかしに命を与えている。このお仕事の前任者は泉鏡花という設定なので泉鏡花ファンには嬉しい。まどかは調理師学校に通っているので、登場する野菜を中心とした料理がとても美味しそう(作り方をもう少し詳しく!とおもってしまう)今回はからくさ図書館の面々と蹴鞠をしたり新宮に出張したりあれこれ楽しい。2022/04/08
よっち
44
京都であやかしを語り命を与える語り手の役目を務める、双子の大学生直史と妹まどかの兄妹。謎めいた「からくさ図書館」の面々やさまざまな出会いを経た直史が自分の進むべき道に巡り合う第二弾。今回はきのこの舞姫、狸の子どもたちを喜ばせるお話作り、龍の子を祝うの三編。からくさ図書館の面々が出てきて嬉しくなりましたが、依頼者の想いに寄り添って物語を書いていくうちに様々な縁もできて、自分の進むべき道が朧気ながらに見えてくる結末は良かったですね。今シリーズはこれで完結とのことですが楽しい双子にはまた再登場を期待しています。2017/02/26
はる
32
懐かしい人がいっぱい出てきた~。からくさ図書館のオールスターが深夜に蹴鞠とか豪華すぎる。双子ちゃんとククリ姫だけで問題を解決するのもいいけど、たまにからくさ図書館とコラボして問題を解決するのも懐かしい面々のその後が少し見えていいですね~。2018/08/26