内容説明
【『口入屋兇次』『MUJIN -無尽-』で人気の崗田屋愉一によるカラー口絵つき!】
心形刀流宗家に生まれ、「小天狗」と呼ばれた伊庭八郎。遊撃隊の一員として鳥羽・伏見の戦いに参加するが、近代兵器を駆使する新政府軍を前に唇を噛(か)む。箱根山崎の戦いで左腕を失いながらも、八郎は盟友・土方歳三の待つ北へと向かう。幕末から維新、激動の時代に最後まで幕臣として生きることを望み、蝦夷箱館の地に散った若き剣士の苛烈な生涯を鮮やかな筆致で描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
57
小兵ながら美丈夫、やや病弱で本好き、そして剣の天才。山岡鉄舟と引き分け土方歳三の盟友。義に篤く片腕を失っても転戦し続け、二十六歳で散った。そんなマンガにしか存在しないような男が 戊辰の戦場に実在した。十四代将軍・家茂に忠義を誓い、五稜郭まで戦い続けた伊庭八郎。そんな彼を支えたたくさんの人々。きっとここに描かれたように、人懐こい一本気で誠実な男だったのだろう。遊撃隊の面々や親友本山小太郎、板前の鎌吉以外にも恋敵だった斎藤辰吉さえ友として戦い抜いた生きざま。こんな真っ直ぐな人間こそ、語られるべきだよ。2020/04/15
キャプテン
43
★★★★★_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1869年明治時代─戊辰戦争編】鳥羽伏見の戦いから、箱館の戦いまで続く、新政府軍と幕府の争いを戊辰戦争という。士道をつらぬくために変われぬ者たちを、変革の波が飲み込んでいく。無慈悲。若き天才剣士、伊庭八郎殿も変われぬ者の一人。おのれの命を捨て、おのれの恋も捨て、おのれらの戦いが民を苦しめていることを知りながら戦う者。間違いなく莫迦者だろう。現代の価値観ならば。しかし、単に莫迦と切り捨てることができないほど、生き様が凄絶にすぎる。侍達の最後、確かに見届けた。2018/03/28
り こ む ん
38
「歳三 往きてまた」にちょろっと出の伊庭八郎を期待したのだけど、ちょっとイメージ違ったかな?生粋の幕臣だけに、世間の荒のみに揉まれてない分?ちょっと甘さを感じてしまう。どこか、ほおっておけなさを感じつつも、やっぱり、魅力的な人物なのは充分伝わる。男が惚れる男なのだ。最期の姿は、何冊か読んだけど…やっぱり、土方歳三と比べると…比べるものではないのだけど…悔しさが残る。存分に戦えたのか?ヤりきったのか?と問いたくなる。2017/08/03
春風
22
数多の幕末作品の中で、隻腕の剣士として異彩を放っていた人物、伊庭八郎が主人公。著者が女性ということもあり、女性視点の男性像といった感じの人物造形に感じられた。物語は江戸城無血開城後の戊辰戦争から始まり、函館戦争まで。もちろん土方歳三も登場する。そのためか、司馬遼太郎の「燃えよ剣」を意識しているような箇所もいくつか。また同著者の他作品にリンクしていそうな箇所も。伊庭八郎の最期は、他の小説で読んでいるはずなのに記憶になく、意表を突かれた。江戸無血開城を知り、銃で最期を遂げた幕臣の川路聖謨に通ずる忠節を感じた。2017/03/31
誰かのプリン
16
大変読みやすかった。★★★★☆ 2018/10/10
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