内容説明
戦後一貫して、日本における殺人事件の検挙率は95パーセント前後で推移し続けている。しかしこれは、少なくとも20件に1件の割合で、解決していない事件が存在するとも言えるのだ。真犯人たちは、今も何食わぬ顔で社会に潜んでいるのは、紛れもない事実。本書は、そんな殺人などの凶悪犯罪を中心に『国鉄三大事件』『3億円事件』から『世田谷一家惨殺事件』『島根女子大生死体遺棄事件』まで、戦後から現代にかけての未解決事件を71取り上げ、様々な角度から推理する。2010年4月の法改正で、殺人事件に関しては時効が廃止された。覚えている人がいる限り、事件は終わらない。このような事件が一刻も早く解決されるために、また同じような悲劇を繰り返さないためにも読んでおきたい、戦後犯罪史考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レモン
22
時代を遡るにつれて冤罪事件の多いこと、多いこと。昔は警察って権威ある存在だったんだろうな。以前、足利事件のルポも読んだが、威厳なんてどうでもいいからわかってるなら真犯人捕まえてほしい。政治家絡みの事件はやっぱりきな臭い。秘書の自殺は自ら望んで選択したものでなく、「グラスホッパー」の鯨みたいな状況もあったりなかったりしたんだろうか。地元の未解決事件も載っており、思いの外猟奇的で怖かった。便槽怪死事件は他殺なんだろうけど、本当に不思議。2021/11/06
団塊シニア
12
20件に1件の割合で存在する未解決事件、犯人が何食わぬ顔で社会に潜んでると思うと恐ろしい。2012/05/15
SKH
9
不可解な謎を残す事件。2013/12/25
しげ
9
戦後から現代まで、世間を騒がせたセンセーショナルな未解決事件の概要が年代別にまとめられています。凄惨な事件をきっかけに制度や法律が改正されて現在の形になったということを、あらためて意識しました。未解決事件の中には冤罪事件も多くあり、冤罪というものの恐ろしさを感じました。罪のない人を裁いている間に、真犯人への手がかりは徐々に風化し、途絶えていくなんて。当事者以外は誰も真実を知ることができない、ということにもどかしさを感じます。2013/06/14
honoka
8
★★★☆☆2010年までに日本で起きた71件の未解決事件(逮捕はされている事件も含む)を時代をさかのぼりながら紹介している本。短く簡単に紹介しているだけなので深みはないけど初めて知る事件もあって興味深く読めた。「ライブドア元取締役不審死事件」etc.自殺とは思えない状態なのに自殺として処理された事件は、一体どんな大きな闇が隠されているのだろうと興味が湧いたし怖くなった。「第5章 1960以前」で紹介されている事件は冤罪事件があまりにも多すぎて当時の警察のいい加減さに驚いた。2021/09/05