内容説明
草木の息吹き、花のささやきが聞こえる。
四季おりおりの草・樹・花へのこまやかな愛情と、精細な観察眼を持つ著者が、草木との語らい、野草の見分け方、草花を生ける楽しみ等、自然との交流をみずみずしい筆致で綴る。
~宇都宮貞子・序より~
近年は自然ブームで、植物の本も店頭に溢れているが、どれもありきたりの解説書で、読む気にもならない。そんな中で、甘糟さんの御本はユニークで、異彩を放っている。同氏の植物とのつきあいは深く、ほんとうに頭の天辺から足の先まで、髄まで知りつくしておられる。私などは一年に一遍も会ったり会わなかったりするものが多く、それも花とか実とかぐらいを見て通り過ぎてしまうのに、甘糟さんは土の中の芽生えから枯れつくすまで詳細に見、感じとっておられる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cinnamon
2
「自然の圧倒的な勢いを見ていると、人間もその中で生きるだけのものだという気がする」「自然が残り少なくなると人間は植物を愛玩物視してしまう」30年以上前のエッセイなので、さらに自然は減少している気がするけれど、自然の一部である自分を感じるのは安らぎだろう(都会育ちの人には恐怖か?)。夏休みの自由研究で、自分の身の回りにある草花や庭の木の種類について調べるのはいいな。植物の姿形も事細かに言葉で描写してあり、実物を知っているとより楽しめそう。2018/04/18
chico
0
鎌倉で草木を観察した記録。摘み草を食べたり、植物から思い出すことを綴ったり。昭和の時代だ。2017/07/20