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内容説明
教師・宮沢賢治の感動の授業を再現!
月の夜、そば畑の花があまりに美しいので、一人でそこで泳いでしまう先生でした。
いつも服やズボンのポケットの中を、何かしらない宝物でいっぱいにしている先生でした。
私が、この今の人生を全部投げ出してでも、生徒になって習いたかった先生でした。(略)
その先生の名は花巻農学校教諭宮沢賢治。この世で一番美しい、あの物語「銀河鉄道の夜」を書いた作者です。(本文より)
大正10年から15年まで、宮沢賢治は故郷・花巻の農学校で教鞭をとった。
公式だけでは絶対に解けない代数の問題。
生徒たちを二班に分けて競わせた英語のスペリング競争。
土壌学の授業では、地球の成り立ちをまるで詩のようにうたいあげ、肥料学では、一枚の細胞絵図から生命の記憶を説き起こす。
そして、まだ生まれたばかりの『風の又三郎』や『春と修羅』の作品群を生徒たちに朗読して聞かせたという国語の授業――。
教え子たちの心に忘れがたく刻まれた幻の授業がよみがえります!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
270
筆者が賢治の教え子に、授業の印象を聞きに行くと、60年近く前のことなのに、実に細部にわたって鮮明に覚えている人が多い事にビックリ!「わたくしはこの仕事で疲れをおぼえたことはない」と、賢治は「生徒諸君に寄せる」詩に書き残した。賢治の授業は、ツカミがすごい。話の導入部をいかに魅力的にするかに腐心、続く生活感あふれた具体例で、生徒の心をつかみ、「その意味がよくわかったでしょう」と、胸にストンと落とす。すごいテクニックだ。2025/09/11
椿 釦
14
聖宮沢賢治という感じが。ここで書かれる賢治も本当の賢治なのだろうが、作者が賢治を好き過ぎる。そもそも好かれ過ぎる作家ではあるけれど。が、私が高校受験した時の国語の問題がこの本からだった気がする。今も覚えているくらい好きな話だった。クレイジー賢治なエピソードも多い。後世でこれだけ愛されていても思うようには生きられなかった人なんだろうな、と思うところもあり、勝手に悲しくなる。2020/07/23
こぺたろう
14
お気に入りの方のレビューを読んで興味を持ち、読了。宮沢賢治の授業はどんなものだったか、教え子たちにインタビューをしていくのですが、皆さん、驚くほど良く覚えている。自分には、そこまで精緻に覚えている授業って、記憶にないなあ。それだけ印象的で魅力的な授業だったということかな。私も受けたかったなあ。2019/12/05
Roko
11
宮沢賢治のような素晴らしい先生に巡り合えた生徒たちは幸せですね。でも、彼のような自由な教え方が気に食わない人からの圧力があって、わずか5年で教職を辞めてしまいました。その後も元生徒たちの相談にのっていたそうですから、本当にみんなから慕われていたんだなぁと思います。宮沢賢治は文章を書き、絵を描き、歌を歌い、農業を愛し、自然を愛し、余りある才能があったのに、若くして亡くなった不思議な人だなぁと思いました。彼こそが風の又三郎だったのでしょうか?2020/04/11
紫陽花
7
購入したもの。宮沢賢治といえば知らない人はいないのでは?と思うくらい、教科書に載っていた。小学5〜6年のころ、詩を暗唱させられたのが記憶に強く残っている。妹想いの兄だったよね。2018/09/14




