内容説明
石岡が遭遇した、岡山県の村での大量連続殺人事件の犠牲者はさらに増え、村は地獄絵の模様に……。村人の言う“村の業”とか“因縁”とは何か? 言い知れぬ恐怖が支配する深夜、伝説の男の亡霊が現われた……!? 彼による三十人殺しとは? 現代に甦る昭和史の残忍な悪意とは? 御手洗潔の友人・石岡和己が解き明かす五十数年に及ぶ壮大な謎とトリック! 傑作巨編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
84
御手洗潔シリーズ第10弾ー下巻。連続殺人は終わらず、警察も全く糸口を掴めない。ハッキリ言って、本作は本格ミステリーではない。犯人の目星は早い段階から付くのだが、実際絞り込める程の情報は無いと思う。密室のトリックに到っては、論理的に解明する事は無理ではないかと思う。救いとしては石岡の成長の物語として、シリーズファン的には嬉しく感じる。更に現実の「三十人殺し」の一つの解釈としても、充分な読み応えがある事だ。その為に、石岡より早くに謎解きが出来なくても、満足感が得られる。ミステリーとは関係なく、心に残る作品だ。2017/01/05
Tetchy
83
下巻の中間で都井睦雄の30人殺しへ至る経緯がその生涯と共に語られており、しかもそれが物語の謎の中心であるが故、フィクションとノンフィクションの境がぼやけ、真にあったかのように錯覚させられることだ。『秋好事件』でもそうだったがこういうノンフィクションを語らせると島田は抜群に上手い。臨場感と睦雄の人となり、そして事件の引き金となった経緯が非常に説得力を持って語られる。読んでみてやはりこの作品は新生島田荘司の誕生を高らかに宣言しているように感じた。本当に素晴らしい作家だ、島田は。2009/08/21
takaC
72
五年掛かりでようやく読み終えた。下巻はほぼ半分が津山三十人殺しの島田流再現。龍臥亭事件的にはそれが必要だったわけだが、整理したらそれだけでは?という気もする。2013/10/15
やっちゃん
58
まさかの御手洗潔不在のまま!これが1番のサプライズ。石岡くんが事件解決に混乱して訳わからなくなる姿が読者の私と同じで親しみが持てた。津山の事件の部分は吉村昭の小説かと思ったわ。島田荘司のちょっと趣向を変えてみた感が強い作品ですね。 2022/10/07
goro@the_booby
55
どうレビューを書こうとなんだか陳腐な言葉しか出てこないのですが、龍臥亭を作って不可能と思われる事件を出しながら津山三十人殺しを表出させるというミステリーに恐れ入りました。御手洗は電報と手紙のみながら最後まで読ませるしこの「龍臥亭事件」はまだまだ次の「龍臥亭幻想」に繋がっていくのか思うとすぐ読まなきゃならないわ。2024/12/18
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