内容説明
ありふれた常識とありがちな直感を疑え!
哲学・論理学の問題を使って、徹底的にロジカルセンスを鍛える最強のテキスト!
【問題】
コーヒーを飲むことが健康にいいかどうか、ある町で調査が行なわれた。1日1杯以上コーヒーを飲むグループと、コーヒーを飲まないグループとを10年間調べた結果、コーヒーを飲むグループのほうが飲まないグループよりも約2倍の割合で癌になる率が高いことが判明した。
にもかかわらず、調査班は、この調査に基づいて、「コーヒーは癌を防ぎ、癌になる率を約半分に減らす」と結論したのである。そしてそれは学界で正しい推論だと認められた。どうしてだろうか?
(【シンプソンのパラドクス】より)
※『論理パラドクス 論証力を磨く99問』(2002年・二見書房刊)改訂文庫版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
46
単なるパラドクス紹介本ではなく、実はそこから一歩も二歩も先を行く内容。「抜きうちテスト」のパラドクスに対して、これでもか、と思えるほどの追求には感服。そこまで考えるのか! 後半、しだいに倫理の問題にくいこんでいく。実社会にありそうな、どう考えるべきか困惑する問題を、明快に解く方法を教えてくれている! だが、さらにその先や別問題を考えるのが、この本の宿題かもしれない。2016/11/19
白拍子
13
難解な本なので、脳に自信のない人は読まない方がいい。評価が割れるのを拝見して、なるほど、買って正解でした。本書は難解な数学を解くのと同じではあるも、数学ではない点がたまらない。数学ができなくても、じっくりと検証する姿勢さえ持ち続けることができるなら、相当な論証力を身につけることができる。そう直感して手に取った本書が高評価よりならばその程度というこであり、つまらない。数理や記号論理学などにあきたら言語に置き換えた論証で、持て余す時を過ごすこともできる機会を与えて下さった著者に心より御礼申し上げたい。2018/11/30
猫丸
12
本体700円の文庫本に99個の例題がぎっしり。講義ネタを惜しみなく出してしまって大丈夫なのか、他人事ながら心配になります。クレタ人、モンティホール、トロッコ、パスカルの期待値など、有名どころを網羅した上に、聞いたことのない問題群もたくさん紹介してくれます。「正解」は徹頭徹尾論理至上主義に基づくものであり、冷徹に見えるほど。だがそれがいい。とくに第3章「確率的陥し穴の部門」は勉強になる。数式を使わずに条件付き確率の正答を出すのは至難の業である。問題39などは紙とペン無しにはお手上げでした。2024/05/14
またの名
11
いつか人を轢き殺したいと願ってた運転士が格好のチャンスに「死ねー!」と狂喜し5人を避け1人に突っ込む設定のトロッコ問題が、見たこと無いパターンで笑う。哲学においてベルクソンを筆頭に戒めてきた、問いの創造をせず既成問題をパズルのように解く秀才官僚的な作業を、あえて行う演習書。答えは正解と不正解にきっちり論理的に仕分けできるという立場を採る一方、全身の分子情報を装置でコピーし別の場所へ転送する問題で自分の解答は採点不能と言われてしまった。ルイス・キャロルが指摘した論理学の限界から示される、別の論理学を作る道。2025/04/13
あゆみらい
10
読んでいると、軽い頭痛が。いかに普段頭を使っていないかを実感させられます。難しい。パラドクスか、パズルか。全員うそつきである○○人が「私はうそつきです」。成り立つのか?矛盾なのか。2016/12/06
-
- 電子書籍
- あの子より愛して【分冊版(15)】 L…
-
- 電子書籍
- トリリオンゲーム【単話】(12) ビッ…
-
- 電子書籍
- シスター・プリンセス ~お兄ちゃん大好…
-
- 電子書籍
- 押忍!!空手部 新宿大戦争勃発!影の五…
-
- 電子書籍
- 草木染 - 四季の自然を染める