内容説明
現代の物理学は、人間の思考を根底から支配している常識を捨て去ることで進展してきた。人間の見た目通りの世界は、本当の世界の姿なのか。人間の存在は、その物理的世界の中でどのような位置を占めているのか。近代物理学の誕生の経緯、そして物理学に大きな革命をもたらした量子論と相対論の成り立ちを概観。物理学とは、常識に対する挑戦である――。日々の生活のヒントにもなる、数式・図表を用いない物理学の入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
haruka
24
この世界は人間の感覚で想像できるようにはなっていない。まえがきでは物理の入門書とあるが肝は量子力学である。その摩訶不思議を説明するいつものルート、原子→ニュートン→マクスウェル方程式→アインシュタイン→ハイゼンベルクらの健闘とシュレーディンガーの猫→量子重力理論の有力候補。リーマン幾何学が相対性理論に先立ち用意されていた偶然や、マクスウェルの方程式は非の打ち所がなかったのにアインシュタイン以外素直に受け取らなかった流れなど、面白い。様々な量子理論は昔のエーテル(架空の存在)なのではと。死ぬまでに知りたい。2024/01/10
あっきー
19
✴3 この本を高校の進路を決めるあたりに読むと勉強したいという人間が増えそうだなと思うくらい物理の考え方が改めて分かり面白かった、ただ量子論の辺りからはチト歯応えありでチャレンジの気持ちが必要になってくるなー、このレベルの生物学史、数学史、化学史、医学史の各分野の入門書を一通り読んでみたい気分になった2020/08/04
nbhd
17
数式なしの物理学史の読みもの。3カ所でハッとした。①身近にある力は、煎じ詰めればその大体が電磁気力。ボクサーのパンチも電磁気力。キーボードを打つこの手の力も電磁気力。②物理学者の中にも、目に見えない量子や相対論の世界は信じられないと考える一派がいて、そういった立場のことをマッハ主義という。「音速マッハ」のあのマッハさんだ。③シュレーディンガーの猫は知っていたけど、これを拡張した思考実験「ウィグナーの友人」は知らなかった。よくわかんないけど、量子力学的には「客観的な事実は存在しない」ということらしい。2021/06/15
あっきー
16
⭐3 再読、ギリギリ自分が理解できる基礎的なレベルで説明されていていい勉強になった、最後にタイトルの意味が「人間の見た目通りの世界は本当の世界の姿なのではなく、そうではない何か別の世界のようなものから現れ出てきたようなのだ」と言うもんだから別の世界とはいったいなんなのかと思った2022/04/09
たー
13
数式を使わないという意気込みは良いんだけど、図表もまるでなくて文章だけというのはさすがにちとシンドイな。2017/09/18