内容説明
一冊で芥川賞まるわかり。芥川賞の全歴史とエピソードが一冊に。
市井の愛好家が、愛と外からの冷静な目で著した芥川賞“非公認”本を、文春文庫から堂々刊行。
賛辞も非難もすべて盛り上がりの血肉にしてきた恐るべき文学賞・芥川賞。
1935年の創設から八十余年、第1回から第155回まで、受賞者、選考委員、候補者、マスコミが繰り広げてきた壮大なドラマを、著者独自の愛と棘ある視点で描き、「日本一有名」なこの賞の秘密を解き明かす。
いちばん面白くて読みやすい芥川賞史。
事件上等!文運隆盛!の八十余年
・「新人賞」なのに世間では破格の扱い。
・派手な受賞は叩かれる。地味な受賞は嘆かれる。
・太宰治の怒り、車谷長吉の「五寸釘」!?
・そして「火花」の250万部突破――
「文藝春秋がなぜこの本を文庫にしようと思ったのか、いまだによくわからない。
もしかしたら、これが芥川賞の恐ろしさなのかもしれない」(著者)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
126
3年前に読んだ直木賞物語に続いて、川口則弘2作目です。80年に渡る芥川賞のクロニクル興味深く読みました。歴史に「もしも」はありませんが、太宰治が芥川賞を受賞していたら、どうなっていたでしょうか?自殺していなかったかも知れません。松本清張が芥川賞を受賞しているのも意外だし、多分受賞作家の中で一番売れているのが社会派ミステリ作家の松本清張というのも皮肉ですネ(笑)これからも芥川賞作品は追い駆けて行きたいと思います。2017/02/22
佐島楓
49
必要があって読む。書き続けていくことの困難を思った。2018/08/10
緋莢
17
昭和9年、文藝春秋社の社主・菊池寛によって発案された芥川賞。しかし、最初は、どういう作家を候補に挙げ、どういうものに賞を贈るのか、手探り状態での出発だった。芥川賞を熱望する余り、川端康成を批判し、佐藤春夫にまで手紙を出した太宰治、『太陽の季節』、『限りなく透明に近いブルー』、『蹴りたい背中』、『蛇にピアス』のフィーバーなどなど、八十余年の歴史の中での受賞者、選考委員、候補者、マスコミが繰り広げてきたドラマを描く。 2017/05/04
阿部義彦
16
文春文庫新刊いささか駆け足ではあるものの第1回(35年上期、「蒼氓」)から第155回(16年上期、「コンビニ人間」)までの回に渡って、全回の選考委員、そして候補作を逐一記録しています。資料としても価値があります。私の父は毎月文藝春秋を買ってましたが、それを奪ってリアルタイムで読んだのが77回の2作(「僕って何?」「エーゲ海に捧ぐ」)でした。ある意味水と油の2作でした。それからはまあつかず離れず興味は持ってましたけど、文学賞メッタ斬りは本当に面白かったです。話題づくりと割り切ってアレコレ言うのが楽しいのだ!2017/02/14
まさむね
11
元本(バジリコ刊)も読んだが、その後の受賞作、とくに『火花』『コンビニ人間』の大ブームまでを収録した、現時点での完全版。文春文庫から出たというだけでも5億点である。改めて流れを追うと、なんだかんだで文壇の話題の中心に常にある賞なのだということが分かる。特に話題になった回だけでなく、全ての回を網羅して候補作や選考委員の変遷にまで触れているのが、流れをまとめる意味でも意義深い功績だと思う。2017/01/15
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