講談社現代新書<br> <軍>の中国史

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講談社現代新書
<軍>の中国史

  • 著者名:澁谷由里【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 講談社(2017/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062884099

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内容説明

<軍>をキーワードに、古代から現代にいたる長い中国の歴史を繙くことによって、中国という国の知られざる「本質」が解き明かされてゆきます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

30
張作霖をはじめとする軍閥研究者である著者による<軍>の通史。注もないため、前近代の部分のざっくりした切り口についての評価は難しい。しかし、近現代部分は秀逸で、著者の本を初めて読む人も引き込まれるのではないか。軍閥連合と国共合作を死ぬ間際まで天秤にかけていた「国父」孫文。熱血クリスチャン将軍の馮玉祥。蒋介石と毛沢東にとって正統性の確立のために軍はどのようなものであったのか。前著と重複する部分も多くなるが、やはり近代史部分のみで刊行してもよかったのではないかと思う。2022/10/01

skunk_c

24
元々は中国の軍閥について書き始められたそうだが、古代にまで視野を広げたことによって、ある意味コンパクトな中国通史にもなっている。近現代において中国が国軍を持っていないことは知っていたが、古代から中世の軍のあり方も興味深く、曹操の兵戸制が転換点だったという指摘も頷ける。そしてやはり面白かったのは近代、特に孫文が臨時総統を袁世凱に渡すのは、そもそも国民党に軍事力という実力を伴う権力がなかったという、よく考えれば真っ当な指摘、そしてその後の「軍閥」で括られる政治の集合離散の様相が克明に記されているのが嬉しい。2017/10/23

ちくわん

16
2017年1月の本。「軍閥」を説明せんがため、中国史を語り、そのため何が何だかわからなくなった意欲作。中国は古代から様々な制度が確立していた分、後から学ぶ我々は遡れば遡るほど膨大な説明を要する、よって理解が困難になる。さて、どうやって切り崩していこうか、と考えさせられた一冊であった。2019/12/29

ピオリーヌ

12
軍閥史の専門家だけあって、段祺瑞、馮国璋、張作霖をはじめとした袁世凱没後の大総統職をめぐる争いの記述が詳しい。またほとんどの時代で私兵が中心であって、公の軍隊を保持した経験が少ないのが中国の特徴であるとする導入が巧みである。無学な少年兵から叩き上げられ、キリスト教と共和制をあつく信奉する馮玉祥の生き様も印象的。ただ残念なのは、全体的にひらがなが多くてとても読みにくいこと。「どこからしょうじるのだろうか」「そのすべてがふくまれるとかんがえるべきだろう」何故?作者の意図?講談社現代新書の方針?2020/08/30

Kazuo

10
中国の軍事史は「ほとんどの時代で、『私兵』が中心であって、『おおやけ』の軍隊を保持した経験が浅い中国では、現在でも、軍隊による国際的・法的逸脱に対する感覚が、少なくとも日本とは異なる。このことを念頭に置いておくべきである。」というのが、本書の結論の一つ。「抗日戦勝利」をナショナリズムの中心点に置いていた中国が、「一帯一路」スローガンを掲げたことにより、日本は戦略を練り直す時間的余裕を得たのかもしれない。東アジアは、「人治」の空間で「法治」を今後根付かせていくことは、日本でも中国でも大変な苦労が強いられる。2017/07/16

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