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内容説明
「私の言葉に耳を傾けてくれ! 私はこれこれの者であるのだから。どうか、私のことを勘違いしないでもらいたい!」。「すべての価値の価値転換」「超人」「ディオニュソス的」「偶像」「ツァラトゥストラ」など、キリスト教の道徳と西洋の近代哲学を批判し、新しい思考を提案したニーチェが、自らの著作と思考について精神を病む直前に語った、ニーチェ自身による最高の公式ガイドブック!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
molysk
73
私の言葉に耳を傾けてくれ!私はこれこれのものであるのだから――。数千年のあいだ人類を支配してきた理想、道徳、そしてキリスト教。これらはすべて嘘なのだ!この真理を発見したはじめての人間がこの私であり、これらの嘘を破壊することが私の運命なのである!宗教などの普遍的理論よりも、現実に存在する個人の優越を説く、実存主義につながるニーチェの主張は、しかし彼の生前に理解を得ることはなかった。本書は、精神が壊れるその数カ月前に、まだ見ぬ将来の知己に向けた、ニーチェの叫びである。――私は理解してもらえただろうか?2022/10/10
r.ramone
41
アヘアヘ自分とワーグナー大好き偏屈おじさん 仏陀の宗教を衛生学と呼んでいるあたり大変鋭い。熟読はしなかったけど、序盤の『なぜ私はこんなに賢いのか』『なぜ私はこんなに利口なのか』『なぜ私はこんなに良い本を書くのか』あたりはところどころ印象に残っている。2020/07/12
1.3manen
37
選ぶことによって、容認することによって、信頼することによって、相手を尊敬する(一部明朝太、27頁)。魂をルサンチマンから解放することが、健康回復への第一歩(37頁)。私に必要なのは、孤独。健康を回復すること、自分に帰ること、自由に軽やかにたわむれている空気を吸うこと(43頁)。栄養と密接な関係があるのが、土地と気候の問題(54頁)。読書は、真剣な私から私を引き抜いてリラックスさせてくれる。仕事に没頭しているとき、私のそばに本は一冊もない(58頁)。多くの本、多くの種類の本を読むのは、私の流儀ではない2019/01/04
めんつゆ
19
今風だと「常識とされているものを疑うことの重要性」など言えたりするのだろうか。翻訳で印象は変わるのかも。 相変わらず文章表現は過激、でも「ツァ ~」を読んだ際の私の想像よりも実際はかなり冷静な態度で著者は書いていたのだな、と感じたのが印象的。そこには相手とするものへの敬意すらあり、強すぎる表現で断言する自分に酔った自分を客観視して面白がっているような印象も湧く。一人でも多く救いたかったのだろうか。気付いて欲しかったのだろうか。わかったうえで選択する(それは覚悟だ)のならそれを奪う権利は誰にもないのだ…2022/09/15
K
19
ニーチェ最後の著作。ニーチェによるニーチェ入門と解説では説明されていた。当時は今ほど有名でもなく、自らによる呼びかけが必要だったために本書は書かれたらしい。ニーチェ哲学の根幹は前知識として持っていたが、割と難しい部分もあり、勉強不足を痛感。とはいえ、キリスト教的道徳の腐敗、超人思想、永劫回帰などは違う表現で何度も述べられており、哲学書としては簡単な方だと思われる。「神は死んだ」という言葉は有名で、独り歩きしている感があるが、わかった気になっていることはあまりよろしくないと思っている。2021/03/05
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