内容説明
「物思いに沈んでいる表情が良い、といってくれた。私はその言葉にびっくりして、じっと彼を見詰めていたような気がする」誰よりもセンチメンタルでドラマチックな二人の、愛の日々の軌跡。解説・江國香織
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わっぱっぱ
34
夫婦の幸せなあり方は一つではないし、はたからは解りようのないものであろうと思う。が、理想的だなあと思った。荒木さんを、陽子さんを羨ましいと思った。愛ってこの二人のかたちをしてるんじゃないかと思った。なのにすごく哀しくなった。なんでだろうって考えたら、夫(男)と妻(女)、っていうか人は幸せを“共有”するのではないんだね。ってことに気付いたからだった。どんなに抱き合って繋がったって、相手にはなれない。だからこそ愛なんだともいえるけど。女に生まれて良かったと思った。女をやりきって死のうと思った。2017/10/15
501
21
写真家アラーキーの妻荒木陽子のエッセイ。′この人と一緒にいれば、私は幸せになる′~′彼以外には、私を理解する人間はいないんじゃないかなあ、と今でも私は思っているのだ。これが幸せでなくて、何でありましょーか。′夫への包み隠さない愛情表現に痺れる。結婚式に妻のヌードを映しだすという、それを受け入れる彼女自身荒木におとらずぶっとんだ人物だった。夫への愛情と日常の生活を描く文章は彼女の感性の鋭さ豊さが溢れでていて、お互い尊敬しあい刺激しあう関係だったことが感じられる素晴らしい本だった。2017/03/24
gtn
12
ある写真家が、本当に妻のことを愛していたら、夫婦の情事を撮らないと著者に言う。余計なお世話である。変態って大好きと反論し、「彼と一緒に生きることが、私にとっての旅」と照れずに答える著者。妻亡き今も、アラーキーの心の中で二人の旅が続く。2019/11/05
ひろみ
10
ふたりの生活は奔放に見えるけれど不思議と地に足がついているようにも思える。陽子さんのチャーミングな語り口はアラーキーをますますかわいらしく魅力的な男性に見せているけれど、私たちは陽子さんがその愛すべき名写真家を残し、あまりにも早く亡くなってしまうことを知っている。そのせいか、彼女がはしゃげばはしゃぐほど、ふたりの愛を見せつけられるほど、その愛の行きつく先、永遠の別れまでもが視界にちらついてしまう。写真と文章。手段はそれぞれ違うけれど、愛はこうして残せるんだなと思った。2017/05/02
さえ
5
写真展を見た帰りにミュージアムショップで購入。レストランで婚約の記念に買った画集の裏表紙に赤ワインに指を浸して模様をつける二人。京都で別行動の後、イノダコーヒーで待ち合わせ、東京行きの新幹線の乗り込んだ後の陽子さんの気持ち。「これからもずっと二人で旅を続けていきたい。彼と一緒に生きることが、私にとって旅なのだ。」 幸せでセンチメンタルでセクシャルな二人の愛の記録が惜しみなく綴られている。 今年一番読んで良かった本になるかもしれない。そして、もっと読ませてほしかった人。2017/10/01
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