内容説明
「神は骰子を振らない」ならば全ては必然だというのか。奇妙な偶然の連鎖の果てに起こった原発事故を皮切りに「偶然」に翻弄される推理作家・火渡雅。太極柄ネクタイの男の事故死と現場での怪しい人影を目撃した後、片方の視力を失うが。思想と思索に満ちた知の書であり、不安と不穏を描き出した傑作。『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』『匣の中の失楽』日本推理小説界の4大奇書に連なる第5の奇書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hanchyan@ふむ……いちりある
36
ウヒヒ。いやあ~。読み始めこそ「大丈夫かいなこりゃ」ってちょっと思ったが、本の半分(話の1/4)くらいから俄然面白くなる。ズバリ、理屈っぽいヘンなはなしだ!(笑)。偶然と必然、存在論・不可知論、作内作と【手記】から~の~、シュレ猫!柳田翁『一つ目小僧』!そしてシンクロニシティ!(笑)、等々・などなど、もう徹頭徹尾衒学的ながら、拡げに拡げ鏤められたそれらのメソッドは飽くまで抑制を効かせて紹介程度にとどまっており、「ミステリ的な興味?忘れてませんよ♪」て感じで、なんか「ツインピークス」ぽいぞ。下巻へウヒヒヒ♪2017/01/05
和尚
10
「偶然」というテーマで、ユングの親和性やの、不確定性原理やのを交えながら、物語が進んでいく。下巻に進みます。2011/02/04
らきむぼん
7
下巻の感想にまとめます。2017/10/07
ぶんぶん
6
山口雅也2作品目。議論薀蓄多し。登場人物に掴み所がなくて地に足つけて読めない感じ。今のところアンチミステリぽいけど最終的にミステリに纏まるのかも含め、続きが気になる。2014/01/10
はまちゃん
4
久しぶりの山口雅也氏作品。信じられないくらいに数々の偶然に遭遇する推理小説作家のお話。「偶然とは?」を過去からの知識人たちの話や数学的な話で紡いでいくのだが・・・ 果たしてどのようにまとめるのか,下巻が楽しみだ!2016/03/06