内容説明
「見つけた。あなたが、わたしの鼓動――。」
不登校の十七歳・譲羽朗は、東京を逃れ生き別れの父が住む愛媛県の小さな港町を訪れる。
そこで出会ったのが、廃線を裸足で歩く不思議な少女「アリス」。
一冊の本がきっかけで近づく二人だが、アリスはかたくなに正体を明かさない。
そんな折り、朗は町で「廃線の幽霊」のうわさを耳にする……。
恋した少女は何者か。本当に夏の亡霊(ゴースト)か。
切なく鮮烈な青春ラブストーリー、登場!
著者:マサト真希
イラスト:フカヒレ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
69
とある事情をきっかけに引きこもっていた少年朗が、生き別れた父が住む愛媛の小さな港町を訪れ、廃線を裸足で歩く謎の少女アリスと出会う物語。前半は朗の鬱屈とした雰囲気を引きずっていましたが、アリスと出会いを重ね、朗が引きこもりに至った理由、そして父やアリスの秘密が明らかになっていくにつれ、迷いながらも逃げ出さずに自ら行動を起こすことを選択するようになる朗の成長が伺えました。最後これからどうするのかな?とはちらりと思いましたが、全体としては魅力的な物語でしたね。フカヒレさんの絵もあってヒロインたちも良かったです。2014/11/11
まりも
60
すごく面白かった。ある出来事をきっかけに引きこもっていた少年が一人の少女に出会い変わっていく話。前半は朗の鬱屈した気持ちや周囲の対応にイラっときましたがアリスに出会い変わっていく中盤以降で一気に引き込まれました。過去の過ちと現在の自分に向き合い一つの決断を下した朗の姿、後半で語られる重要な秘密にはグッとくるものがありますね。物語の結末がちょっと味気ない所など引っかかる部分もありましたが素晴らしい恋愛青春作品だったように思います。2014/12/11
おかむー
54
東京から瀬戸内の田舎町に逃れてきた悩めるボク・譲羽朗、不思議な出会いをした美しくミステリアスなヒロイン・アリス、東京に残してきた口の悪い生意気な義妹、世話焼きな元気系ポーニーテール少女、と主要人物を並べたら恋愛ゲームの設定ですね。『もうすこしです』。切ないひと夏のボーイミーツガールで読ませる展開なのは確か。でも醒めた目で見てしまうと、薄っぺらなプライドで自滅した友人に巻き込まれ、逃げた先では生き別れの父の過去の不始末に翻弄されてるだけなんだよなぁ。ラストのその先に「めでたしめでたし」が見えなくてモヤモヤ。2015/05/27
異世界西郷さん
49
最初、遠目でこの本の表紙を見たときに「ほぅ。イラストは岸田メルか。イイネ! 」なんて思っていたんですけどもね。手に取ってから、全然違う人だと知ってひとりで勝手に顔を熱くしてしまいました。なんてことがありつつも読了。愛媛を舞台に、心に傷を負った少年と、廃線上で出会ったミステリアスな少女とのボーイ・ミーツ・ガール。まさに、これぞ青春といった感じでした。最初は塞ぎこんでいた朗が、アリスと出会い、様々な人と交わることで自分の問題に向き合っていこうと変わる姿は読んでいて清々しい気持ちになりました。2014/11/22
アウル
47
お気に入りの方の感想を見て購入。ある出来事がきっかけとなり引きこもってしまった朗。血縁上の父が暮らす愛媛へと訪れる事で話が動き出す。謎の少女アリスと出会ったことにより変化が出てくる朗。中盤の自身の過去を語り始める所から思いっきり引き込まれていった。最後にとんでもないオチがあったが、いい青春ラブストーリーだったな。2014/11/15