内容説明
文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
273
スゴいですね!暗号とやらをなめてました(恥) 確かに秘密の文書の内容が敵に知られたら、作戦の裏をかかれてしまっているのに気付かず袋のネズミ、一網打尽ですよ!暗号作成者と暗号解読者の熾烈な戦いが戦争の勝敗をも決め、今のコンピューターの礎に繋がるんですね!天才達の果敢な挑戦がなかなか面白いです!ただいかんせん・・・、暗号の解説はちんぷんかんぷん!文章は平易で読みやすいのですが、内容云々より『スゲー!』って感嘆するしかできません。さぁて、下巻はどんな展開を見せるやら。面白さでは『フェルマーの』に軍配かな‼️🙇2020/02/14
kaizen@名古屋de朝活読書会
146
戦争と暗号。政治を左右しかねない技術として、原子力、航空宇宙に次ぐ暗号。計算機の発展の原動力。数学が現代で日の目を見る機会。エニグマ、チューリングなど有名な固有名詞が踊る。技術に対する姿勢を問うより、暗号への入り口を認識することに価値がある。2014/08/05
nobby
135
リアル脱出ゲームで楽しむ謎解きから興味深々で読んだ。『フェルマーの最終定理』と同様に、その暗号解読の術の理解には程遠いが、暗号を作成する者と解読する者とのせめぎ合いの展開が面白い。古代の権力争いから電信・新聞を使った個人的な活用、そして二度の世界大戦での描写にはワクワクが止まらない。その一方で、分かってはいるが崇高な数学者達の表面化しない功績と多くの不遇がせつない…下巻がますます楽しみ♪2015/01/19
けいご
118
暗号解読ってなんぞ?っと思って手に取った一冊です★人間の欲望の数だけ暗号の種類が増えて行く過程とそれを暗号を作る人達と解読しようとする人達の攻防戦が時代を変えてきた事実と想いが隠密行動だった故に時代に出てこなかったあたりも非常に面白いです★上巻は紀元前5世紀ステガノグラフィーから始まり、第二次世界大戦に入り無線が発達した事でドイツのエニグマが生まれ、それが解読されていくまでだったのだけれど、現代に向かって暗号解読はどうなって行くのだろうか?さぁ下巻へレッツゴー!2021/10/17
修一朗
115
平成最後の本はこれ! 上巻は古代ギリシャ時代からルネサンスを経て,第二次世界大戦までの暗号の発展の歴史を辿る内容で知的刺激が満載です。メアリー女王の処刑を決定的にした暗号解読エピソードも良かったし,何といっても第二次世界大戦において連合国側が悩まされたドイツの暗号システムエニグマの攻略の解説が圧巻でした。コンピューターの基礎を築いたチューリングがエニグマ解読作戦で重要な役割を果たしたことや,暗号解読の偉業が軍事機密として埋没してしまったこと,どれも面白くて一気読みでした。さぁ令和一冊目となる下巻へ… 2019/04/30