内容説明
中森明菜「少女A」、チェッカーズ「哀しくてジェラシー」、郷ひろみ「2億4千万の瞳」、荻野目洋子「六本木純情派」…きらびやかな数々のヒット曲を彩った斬新な言葉たち。その時代を疾走した作詞家が回想する、80年代の輝ける日々。作詞家生活35周年記念出版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
25
活躍した売れっ子作詞家によるキラキラした時代の残り香的エピソードたち。「少女A」、「涙のリクエスト」、「ジュリアに傷心」、「somebodys night」、「二億四千万の瞳」、「光戦隊マスクマン」。えっ?「光戦隊マスクマン」。子どもの頃、大好きでした。2019/09/29
seichan
6
チェッカーズや中森明菜などの作詞で飛ぶ鳥を落とす勢いを誇った、売野雅勇の回想録。広告代理店に勤めつつ同人でファッション誌を発行してたそうだが、出会った人のほぼすべてについて何をどんな色合わせで着ていたか描写されてるのが超印象的。カフェや会社の空間描写もことのほか多い。何を意識してものを見るのか、人それぞれだなぁ。それにしても知己の名が綺羅星の如きだ。 坂本龍一の「美貌の青空」、この語句を売野は金子國義の絵のタイトルから取ったが、元ネタは土方巽の遺稿集で命名者は詩人の吉岡実と知り、納得で膝を打った。2017/04/30
原雄一郎
5
今さら『少女A』を聴き狂っていたところに、『少女A』誕生のエピソードをウェブのコラムで読み、この本をしった。8歳のころに『夏のクラクション』を聴き狂っていて、親に不思議がられたことを思い出した。歌は繋がりのなかに、繋がりは歌のなかにある。大衆歌謡の醍醐味に溢れていた。2018/04/21
bambi_hifumi
5
80年代といえば私の生まれた頃。何となく記憶のあるあの時代を文章を通して感じられたのだけど、つくづく良い時代だったのだと思う。この頃の音楽が好きだなあ。売野さんの詞も。中森明菜のファンなので「少女A」はもちろん、90年代の中谷美紀の曲も。偶然、この本が書かれた去年の夏に彼女のアルバムを手にして毎日のように聴いていたから、事細やかに触れてくれたのも、出版されこうして読めたことも心の底からうれしい。感謝。2017/02/03
ぴこたこ
5
1980年代に青春時代を過ごした。おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさん、兄弟姉妹…家族全員1台のTVを囲んで歌番組を見た。ヒット曲は老若男女の誰もが口ずさんだ。そんな時代を作った作詞家の一人 売野雅勇。彼の半生を語る文章の隙間に、私の青春が重なった。もう戻るはずのないその時を想って涙が溢れた。全てが宝石のように輝いていたあの時。大切なあの時。全てに感謝したくなった。2016/09/09