内容説明
歩いて、見て、訊いて、思い出す――“忘れることができない”完全記憶能力を持つ私立探偵。
元刑事のデッカーは、妻子を殺され、犯人が見つからないまま警察を去るが1年後に起きた銃乱射事件とのつながりが見つかり、捜査することに……
あらゆる記憶をDVDを再生するように取り出せる男の、怒りと悲しみの事件簿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
60
白鵬レベルの体格のエイモス・・ミラーは突き放すようで何とも人間臭が、些か女としての魅力が少ないランカスター、ボガートはエリート臭プンプン。ユニークなメンバーのキャラ立ちが面白い。下巻に入り 犯人の目星がたたない中、実は・・と犯人が登場すると思いきや、現れた存在がこれまたユニーク・・殺人方法も。ここまで憎悪が膨らむのか。解決の手がかりにエイモスの特殊能力が生かせる訳じゃない。突然切れたり、飛び出したり。彼が特別な感覚の持ち主だからこそ、悲劇を乗り越えられたのかと。酸鼻な内容にも拘らずのユーモアすら感じた作品2021/06/23
momi
54
いや〜海外ドラマを観てるようでサクサク読めて面白かった!!主人公「デッカー」は事故から特殊な能力に目覚め完全記憶能力を持つ探偵になるが、家族を殺され苦しんでいるところに謎の男が自首してきたり、高校での銃乱射事件で8人もの被害者がでる事件がおきたり…まったく繋がりのないこの二つの事件が意外な繋がりをみせはじめる!強い恨みからなる事件かと思っていたら意外な展開に流れていって…気づいたら一気に読んでしまっていた!悲惨な事件を忘れることができないなんて…傷が癒えることはない…だけどラストは希望がみえてよかった!2018/01/18
あっちゃん
52
もったいなくてチビチビ読もうかと思ったけど結局一気に読んじゃった(笑)完全記憶能力もあんまり良い事ないなぁ!と思いつつ、最後に誘われた仕事、続編あるみたいで、ちょっとホッとしたかなぁ( ̄▽ ̄)2021/08/26
あさうみ
47
最後の最後まで惹きつけられて一気読み!犯人まで辿りつくまでページを捲る手が止まりません!その過程が、デッカーの完全に記憶する能力が生かされている。反則技の能力が白けさせることのないミステリー。スルーしていた面白い良作を見つけられて良かった。来月の続作楽しみです!竹書房さん、刊行ありがとうございます…!2018/05/16
しゃお
38
手掛かりを追い続けるデッカーを翻弄するかのように新たな謎が展開していくため、ページを捲る手が止まらず一気に最後まで読了。デッカーが得た才能は苦しみを更にもたらすものでしか無かったのかも。人は忘れる事で自身を、そして誰かを許したり前に進んだりできるけれど、デッカーは全てを記憶し際限なく再生できてしまう。弱い人間なら気が狂ってしまうかも。しかしデッカーの能力ゆえに救われる人もこれから出てくるであろうと、これからの彼の活躍が楽しみになりました。2020/10/19