内容説明
日本は自己増殖する<横浜駅>に支配されていた。脳に埋め込んだSuikaで管理されるエキナカ社会。その外で廃棄物を頼りに暮らすヒロトは、エキナカを追放されたある男から人類の未来を担う“使命”を課され……【電子限定!「『横浜駅SF』の原点、連続tweet収録」】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
361
おもしろかった。適度なエンターテイメント性を持たせたライトなSFで、文章も平易、小難しそうな用語は出てくるけど実は理解しなくても物語を読み進められるなど、タイトル同様にSFっぽさを押し出しながらSF初心者にもとっつきやすい工夫が凝らされていて、娯楽小説として質が高いのではないかと思う。増殖を続け、本州全土に拡大した横浜駅と、エキナカで自動改札機に監視されながら生き続ける人々。悲壮感を抱かせすぎないディストピア。恋愛要素や冒険ものが薄めだが、そこらへんもあくまでライト。2017/08/29
明智紫苑
305
カクヨム掲載時よりも大幅に加筆修正されていて、「紙の本」という体裁にふさわしい完成度になっている。しかし、加筆修正ではみ出た部分がさらに来年書籍化されるという。出たら買います。2016/12/27
mae.dat
292
坊主の本。「横浜駅」って言葉に引っ張られたのだとは思いますが、ディストピアSFを楽しむ様になったかと思うと、父ちゃんとしては感慨深いものがあるよ。先ずは章タイトルですね。SF作品のパロディになっているの好き。『あるいは駅でいっぱいの海』は分からなかったので調べましたが。『虐殺器官』は知ってましたが、SFとは思っておらずでした。本編はね、何でこんな世界なのか、登場人物の行動の理由とか、背景は見えてこないのです。最後にズバッと決めるタイプのパターンかなぁと思って読みましたが。う〜ん🤔。分る様な、分からん様な。2023/06/19
ひさか
277
2016年12月カドカワbooks刊。第1回カクヨムWeb小説コンテストにて大賞(SF部門)を受賞し、書籍化デビュー。増殖を繰り返し本州全土を覆い尽くした横浜駅に18切符で侵入した男の冒険譚。良くできた世界設定で、用意された謎や出来事もスリリングで楽しめました。新鮮なストーリーで、登場人物達が興味深いです。2018/03/08
absinthe
230
横浜駅の増改築が進みすぎ、本州を覆いつくした未来の話。聞いただけでワクワクするような魅力的でおかしな設定。自動的に増殖してあちらこちらに生えはじめるエレベーター、エスカレーター、通路の数々。エキナカとエキソトの格差問題、suikaを持たないと追放されるなど、ユーモラスな話題が盛りだくさん。サービス精神あふれる設定だが、余計なアクションや恋愛などを省いたストイックな作風でもある。Suikaを持たない人を追いかけてくる自動改札…(笑)2023/03/28
-
- 電子書籍
- マテリアル・パズル~神無き世界の魔法使…
-
- 洋書電子書籍
- Slavery, Abolition …