ちくま文庫<br> 青空娘

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ちくま文庫
青空娘

  • 著者名:源氏鶏太【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2016/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480433237

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内容説明

主人公の少女、小野有子は祖母の死によって自身の出生の秘密を知り、見知らぬ土地東京で暮らすことになる。継母とその子供たちからのいじめ、手がかりの少ない実母の行方探しなど幾多の困難にぶつかるが、それでも健気に真直ぐ生きる彼女に手を差し伸べてくれる人々が現れ、運命は好転していく……。青空のように明るく希望に溢れた日本版シンデレラストーリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

114
「青空娘」という題が良い。空が好きでいつも見上げている私にとっては、どうしても読みたくなる小説だ。ヒロインの有子は、青空が大好きで曇りや雨の日でも、雲の向こうに青空が広がっていることを信じて生きていく。この生き方が全篇を通して描かれており、読んでいて晴れ晴れとした気持ちになった。本当に清々しくて、後味の良い小説だ。有子は東京に出て、実の父の家で苦労しながら、小さいときに分かれた母を探そうとする。カフェではなく、喫茶店が出てくるところが、昭和生まれには嬉しい。有子が実の母に会う場面では泣いた。お勧めです。2017/02/01

ヨーイチ

42
解説で知ったのだが、懐かしの週間明星に連載された物。昭和30年代初頭。映画化もされている。あの頃の大衆小説ってこんなんだったんだぁ、ってある意味感心しながら読み終えた。余白とか遊びとかメタファーとかが皆無!登場人物は役割通り、属性通りの行動しかとらない。描写も一面のみ。無駄と思えるものを排除して筋立てだけでできた小説ってこういうものだったのか。解説でも言っていたがシンデレラが底にあるってのは、多分本当。だから王子役の青年が主人公の靴を持って探すって話が戦後の東京で出てくる。続く2017/04/10

そうたそ

38
★★☆☆☆ 源氏鶏太という作家を知ったのは親が昔に買った文庫本が家の書棚に残っていたから。流行作家であったようで、今ではその名もほとんど聞かない。復刊された本作は山内マリコさんが解説を書かれているということで手にとってみた。主人公の有子が不遇な境遇にありながらも、幾多の困難を乗り越え運命が好転していく姿を描くストーリーで、トントン拍子に物事が進む都合の良さとか全体に漂うレトロ感とか、良くも悪くも昭和臭い。今で読んでも面白いという評は間違いないでもないが、一方で別に今読むべき話でもないというのもまた正しい。2016/10/09

ゆきちん

34
初読みさん。何だかレトロ感満載。時代は戦後かな?文体もどこか古めかしい。金持ちの家で妾の子として生まれた有子が女中として苛められ健気に実の母を探しながら流浪する。お金持ちの男子との間の小道具は「靴」まさに、昭和のシンデレラストーリー!最後はすっきり。2016/05/08

のぶのぶ

32
解説にある「私だけのムードが出ているときには、その小説は成功したと思っている。」「味で書いた小説」、この復刊シリーズは好きで書店の棚をチェックしている。以前、阿川弘之さんの「カレーライスの唄」もいい味を出して一気読み。今回も有子さんの健気な頑張りと周りの人たちとの出会いの妙で、母子の再会が果たされる。シンデレラや小公女のように。ほのぼのとして、戦後の復興、発展の時代の息吹を感じる。今の小説のように複雑な構造を持っていないが、こういう小説は大好きである。ほんわか勇気を頂いた小説。良作!!2016/10/08

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