コスミック時代文庫 落ちぶれ同心と将軍さま まぼろしの声

著者名：藤村与一郎【著】

コスミック出版（2016/12発売）

• ISBN：9784774727035

内容説明

北町奉行所の橋廻り同心・服部半四郎は、お役目にも熱心にならず、酒と遊びが大好きという、まっこと不真面目な男。しかも、怪しげな魚売り・磯八を手下に使い、「素っ破抜き」などという、弱みをネタにした強請りたかりを副業としていた。ところがこの半四郎、落ちぶれてはいるが、心まで腐っているわけではない。強請る相手は悪人と決め、日々をのんべんだらりと暮らしていたのだが、ある日、組屋敷に建てたおのれの長屋に、正体不明、謎のご隠居が引っ越してきた。このとぼけた老人、実はとんでもない秘密を抱えていて……。新鋭作家が描く、不良同心と隠居将軍の活躍、ここに開幕！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[酢橘]

不真面目な同心・服部半四郎が建てた長屋に、隠居した将軍・徳川家斉が引っ越してきた。半四郎は悪人相手の強請りたかりを副業としていた。家斉が越してきてからは、半四郎の副業に家斉が首を突っ込み、将軍のお供が暗躍し、半四郎とその子分が聞き込みなどをして走り回り事件を解決する流れとなる。この本を読んでいて、水戸黄門等の時代劇を見ている気分になった。人情の加わったお裁きなどがいかにもそれっぽい。

2014/03/03

[蕭白]

まずまず面白かったです。それにしても１１代さんって、いろんな形で取り上げられてるなぁ。それだけ良き時代だったのかなぁ。

2014/10/13

[Ｍ２]

役目には不真面目だけど情のある同心が世間知らずの上様に手を焼く話かと思ったら、上様の方が余程常識があって役に立っていた(笑）。半四郎は落ちぶれというよりは不届きとか自堕落といった方が合ってるけど、それにしてもダブル主人公の片割れとしてもう少し頑張ってほしいかな。

2014/04/12