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内容説明
男は不自由だ。子どもの頃から何かを成し遂げるべく競争するように育てられ、働くのが当たり前のように求められてきた。では、定年を迎えたら解放されるのか。否(いな)、「年収一千万の俺」「部長の俺」ではなくなったとき、「俺って何だったんだろう」と突然、喪失感と虚無感に襲われ、趣味の世界ですら、やおら競争を始めてしまうのだ。本書は、タレント、エッセイストとして活躍する小島慶子と、男性学の専門家・田中俊之が、さまざまなテーマで男の生きづらさについて議論する。男が変わることで、女も変わる。男女はコインの裏表なのだ。
目次
[本書の内容] 第一章・その呪縛は、どこから来ているのか 第二章・男に乗せられた母からの呪い 第三章・男と女、恋愛とモテ 第四章・育児をするということ 第五章・新しい働き方 第六章・不自由から解放されるために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
27
男性をジェンダーとして見たときの問題点について語り合った対談本です。著者の田中さんは、大学を卒業して40年間会社に拘束される生き方や男性間の競争的な生き方との折り合いを模索する視点を示しておられて、興味深く読みました。家事を効率化する工夫に関するエピソードからは昭和時代の性別役割分業的な家事イメージからの脱却という発想がうかがえます。読むと肩の荷が降りる気持ちのする方も多いのではないでしょうか。2021/09/25
tolucky1962
10
ヨシ子さん(桑田佳祐氏作詞)のラストに『ニッポンのメンズよAre You Happy?』とあるが、何が束縛しているのだろうか?ジェンダー本ですが、男性の生きづらさの根幹を、選択肢を許さないこれまでの固定観念とする。これは母からの呪いや別の道を諦める男からの呪いにより固定化されてきた。時代は変わっている。違う生き方をする若者を見守るしかないかな。2017/01/21
スウ
8
意見が合いすぎる小島さんと田中さん、楽しそうで、居酒屋バナシみたいだなと思ったところも。いまは、「男は家族を養い、女は専業主婦」という父母世代とは違う、ほとんどの人はそれが出来ない世の中に生きているのに、いつまでもその価値観にとらわれていれば男も女もツライ。等、気づきを促す本だと思う。固定観念をガンガン壊してくるので、読んでいて不快になる人もいるだろう。私は、概ね同意かな。世の概念を変えることは出来なくても、そこに気付いているか否かはけっこう重要。次の世代に妙な継承をしないで済むから。2017/07/17
チェアー
8
文中、田中さんが少し触れているが、役割分担をあれこれ考えられたり選択できることが現代では既に恵まれた立場であることが気になる。ある人たち(かなりの人たち)は、共働きや役割分担をせざるを得ない世の中であることをどう考えたらいいのだろう。2016/08/15
フジイ☆インザスカイ
7
「うちは子どももいないし、そもそもキミお金使わないじゃない。もうそんなに稼ぐことに固執しなくてもいいんじゃないの」と夫に言ってみた。必要以上のお金を稼ぐのにいろいろ我慢したり、セーフティネットも持てずに年齢を重ねていった先の人生のほうがわたしは恐ろしい。反応は「じゃあ、俺がパートとかになってもいいわけ?」だった。妻として夫がそれでもいいの?っていう問いだけど、そんな選択、俺の人生にあるの?っていう彼の戸惑いも感じた。男性の生きづらさは『でも男はそういうもの』っていう、物言わせぬ重石の下にある。2016/06/19
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