敬語で旅する四人の男

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敬語で旅する四人の男

  • 著者名:麻宮ゆり子
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 光文社(2016/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334773816

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内容説明

真面目さゆえに他人に振り回されがちな真島。バツイチの冴えない研究者、繁田。彼女のキツイ束縛に悩む、愛想のよさが取り柄の仲杉。少し変わり者の超絶イケメン、斎木。友人でなく、仲良しでもないのに、なぜか一緒に旅に出る四人。その先で待つ、それぞれの再会、別れ、奇跡。他人の事情に踏み込みすぎない男たちの、つかず離れずな距離感が心地好い連作短編集!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

214
仲が良いわけでなく、四人の男の話。仲が良いわけでもないのに旅に出る。予定が入って行けなくても、後で合流してるし、結局、少しずつ友情が芽生えているのかな。この距離感が何か心地良いですね。斎木は、自分が実際に一緒になったら、どう対処していいかわからない。たぶん、頭の回転が速い繁田みたいな人いないと、斎木と一緒にあっちこっち行けないし対応も困ると思っちゃいましたね。それぞれ事情を抱えながら、どこかに旅する四人。こんな、つきあい方もいいかもね。それは置いといて、アルエが、とても優しくいい娘に思えた。 2019/08/15

みかん🍊

111
初読みの作家さんですが面白かった。左程親しくもない4人の男性が成り行きから一緒に佐渡へ旅する所から始まる4人をそれぞれ主人公とする連作短編、両親の離婚により11年会っていない母を訪ねる真面目な男、バツイチ子持ちの研究員、束縛する彼女を持つ営業員、学校1の秀才で美しい顔立ちだが拘りが強過ぎる男、斎木と付き合うのはかなり難しそう事情を分かっていないとかなり嫌な奴となりそうだ、深入りはしないが相手を気遣う関係性も良く、重い問題も抱えながらくすっと笑える場面もあり、京都、鳥取、熱海の旅も楽しめた。2017/04/19

buchipanda3

99
何となく敬語を使うぐらいの距離感の4人の男たち。みんな不器用な一面を持っていてどこか共感を持って読めた。軽すぎず、重すぎない、程よい感じで描かれた読み心地のいい人間ドラマだったと思う。30歳ぐらいの男だとプライドなのか余裕の無さか、一人で抱え込んで行き詰ることもある。踏み込み過ぎない関係の人と日常を離れた場に身を置くことで、上手い具合に前へ進めたりもすると彼らの話を読んで思った。斎木はその言動に、えっとなることもあるけど、核心を付くなど妙に納得させられたりして存在感があったなあ。物語の終わり方も良かった。2019/10/29

papako

82
続編を読んだら無性に読みたくなってやっと再読できた。やっぱり良かった。四人それぞれの事情も想いも敬語でくるむと少し距離を置いて冷静になれる気がしました。続編の方が斎木さんがぶっ飛んでたような。アルエさんは続編に登場しなかった?と思うけど、どうだったかしら。あれ、じゃあ続編も読まなきゃ?うん、この作者の作品ではこれが一番。2020/08/16

さおり

80
お気に入りさんの感想に釣られました。「選考委員絶賛の新人賞受賞作」だそうですが、私も負けじと絶賛します!繁田いわく「専門医のお墨付き」な斎木が物語の中心になっていますが、他の3人だって変わってる。「平均的な人間なんてねぇ、そんなのはマボロシですよ」と語る繁田。私もそう思う!登場人物の言葉に切なくなったり思わず吹き出したり、読んでる間、とても楽しい時間を過ごしました。続編が出てほしい。もう、日本中旅してほしい。ちなみに、斎木と似た知り合いがとても多い私から言うと、斎木はあるあるを集めた凝縮版だと思います。2017/01/23

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