内容説明
3.11以降、エネルギー・電気・発電全般への注目が高まっています。固定価格買取制度も始まり、再生可能エネルギーの導入も広がりをみせています。
それと同時に、「再生可能エネルギーはコスト高で国内産業の競争力を弱める」、「脈流のある不安定な電源で、既存の電力網との接続に課題がある」、「風力発電ではバードストライク、低周波騒音などの公害の問題が大きい」という報道も多く流れています。
この本は、再生可能エネルギーのなかの風力発電に的を絞り、世間の誤解と、その真の実力を、科学的かつ世界の最新の情報から論じていきます。今までに世間ではあまり知られてない、しっかりとした情報を元に、ちまたで論争となっている疑問・ポイントにズバリ答えます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
62
今から5年前の本と些か古いが、急速に風力発電の知識を要した為にAmazonで一気買いしたうちの一冊。内容は、どちらかというと風力発電に関すること半分やり少なめて、その他太陽光・風力発電が所謂変動電源であることからの系統連系の課題とデマンドの問題が書かれている。結論としては、電力系統許容量即ち巨大なプールなので問題ない筈というそこかというような結論ではあるが、ま、そうなんだろう。再生可能エネルギー等を取り巻く電力系統につき考えるきっかけとはなる本。ただ、個人的にもう少し風力発電に関する知識を専門書的に得たい2018/11/18
Nobu A
7
森川潤著書「グリーン・ジャイアント」に続き読了。安田陽著書初読。13年刊行。近年注目を浴びる風力発電に関する実情を国際比較しながら説明。サブタイトルに「『誤解』と『神話』を解きほぐす」とあるように、日本の意識の低さが際立ち、筆者の研究者として矜恃が伝わってくる。ある意味、悲しいばかりに。21年刊行の前著では日本は後進国。電力の市場開放が進み、開発が刺激されないと日本は脱炭素に本腰を入れないのかも。あとがきにある「鋭い批判や指摘のおかげで本書の贅肉を落とし、論理性もシェイプアップできた」の表現が独特。 2023/05/10
石光 真
3
ドイツの風力が増えすぎがいけないとすると、それは変動電源だから系統安定性を害する、とは言えないとことを納得した。系統安定性は輸出しようがバックアップしようが保たれればいいわけで。怒っていた日本の系統連系の年配の専門家は古い考えなのかもしれない。あとは経済学の問題だな。2017/08/25
嘴
3
一般的に言われる「風力発電はココがダメだろ」という疑問に対する欧州の取り組みを元にした解説本。実際の研究の第一人者な上に統計データが豊富なので説得力も高い。ベース電源にはならなくとも風力のポテンシャルはかなり高そう、と考えを改めるきっかけになった。良い本だった。2015/08/29
ミッキーの父ちゃん
2
基礎知識として、色々と参考ななりました。2021/08/11