内容説明
孤独な魂の叫びを2冊の詩集に托して逝った早世の詩人。「汚れつちまつた悲しみに」と詠った早熟老成の詩才。生涯を懸けて己れに徹し、誠実、過激に生きた詩人の刊行詩集『山羊の歌』『在りし日の歌』を全篇収録の上、短歌、俳句、新発見詩篇をも加えた未刊詩篇全270余を詩想、詩法の関連から緩やかに分類し、新たに編纂し、甦った中原中也の全体像を上下2巻に定着した決定版詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
35
泣きたかったので、手に取った。 中也なら一緒に泣いてくれそうな気がした。 何度読んでも、ダダイズムの詩は苦手だ。 やはり歌のような覚えやすい詩が、中也の真骨頂ではないか。 記憶に残るということは、詩にとってなんというアドバンテージだろう。 『これが私の故里だ さやかに風も吹いてゐる/心置なく泣かれよと 年増婦(としま)の低い聲もする /あゝ おまへはなにをして來たのだと 吹き來る風が私に云ふ』(「山羊の歌」中、「帰郷」より。)2018/12/27
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2
他の方もコメントされているように、この版は旧字体であるがゆえの深い味わい、余白の美、そして編纂において秀逸さを感じた。詠み、眺めるのに素晴らしい一冊。2014/10/22
双海(ふたみ)
2
大事な本。机上に常備。2013/09/04
肉欲棒太郎
1
「頑なの心は、理解に欠けて、/ なすべきをしらず、ただ利に走り、/ 意気消沈して、怒りやすく、/ 人に嫌はれて、自らも悲しい。」 「僕は美の、核心を知つてゐるとおもふのですが/ それにしても辛いことです、怠惰を逭れるすべがない!」 「私は悲劇をみて泣いたことはない/ 悲劇に遭遇したことのある自分を發見したゞけだけであつた。」 「あゝ戀が形とならない前/ その時失戀をしとけばよかつたのです」 「然るに、今病的である者こそは、/ 現實を知つてゐるやうに私には思へる。」2017/12/02
瀬々
1
この本は十年ほど前に古書店で見つけていらい私の宝物です。私は中原中也の書くものを愛してやみません。孤独であったり、悲壮であったり、悲しい詩が多いですが、それこそ彼の本質だと思っています。どんな思いで数々の詩を書いていたのかと思うと切ない気持ちになります。2016/03/18
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