内容説明
ときは安永――。江戸では「宮本武蔵」と名乗る辻斬りが出現し、凶悪な強盗団「不知火」が跳梁跋扈していた。からくり師・堀河吉右衛門は親友の剣豪・病葉十三と怪事件の真相究明に立ち上がるが……。奇想満載の伝奇時代小説。《解説・高橋敏夫》
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
109
陰陽師の新刊が少し間が空いているので、この本を読んでみました。一種の伝奇小説ですが半村良さんほどのSF的な要素はあまり出てきません。江戸時代の盗賊や剣豪やからくり義衛門のような人物が出てきます。軽めでさらっと読めてしまいます。表題の宝というものがどのようにかかわってくるのかが楽しみです。2019/01/12
はかり
10
図書館本。細かな短編が脈絡なく続く。犬が出て猫が出て武蔵も出てくる。からくり吉右衛門が主人公なのか、まだ良く分からない。天海の意味がうっすらと見えてきた。下巻に移ろうか。2018/12/26
あまはら
10
今回夢枕獏が描いたのは江戸!しかしこの江戸は何とも物騒。殺しも厭わない窃盗団、不吉な黒い犬、とうの昔に死んだはずの宮本武蔵が辻斬り、徳川家康の葬儀を執り行った僧・天海の秘宝、黒い犬と共に現れた大黒天とは何者なのか…。物語の世界に引き込む力が強く、とても途中まで読んで寝るなんてできませんでした!しかし上巻は読めば読むほど謎が深まる一向だったので、早く下巻を読まなくては…!夢枕獏の書く天海は、明智光秀か、足利の者か、あるいは全く別の者か。その辺りも楽しみです。2013/06/14
Ayah Book
6
バイオレンス時代劇なのか、からくり宝探しなのか、物語がどう展開していくのかまだまだわからない上巻でした。美剣士・病葉十三さんが素敵。2017/02/13
マサ
5
獏さんだけに妖怪変化の匂いが濃いが、この程度なら今のところ守備範囲だ。人物、事件が徐々につながってきて全体像が見えてくる展開にワクワクする。吉右衛門の飄々とした雰囲気もいい。吉右衛門と千代の関係も気になる。2020/02/01