内容説明
「彼女の頬を、マウスカーソルで撫でた」「白ブリーフの落とし主は永遠に見つからない」「ヒーローたちの利害は複雑に絡み合っていた」「担任に好かれている吉田と、ただの吉田がいた」――提示されるのは冒頭だけ。続きは読み手のイマジネーション次第の自由な文学、「書き出し小説」。416本の異なるストーリーがあなたを魅了する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
193
図書館本。アメトーク読書芸人で紹介されていたので。一つ一つ読み終えた後じわっと想像力掻き立てられる。歴史人物国内編がお気に入り。特に利休のは妄想してしまいました。2017/06/16
新地学@児童書病発動中
145
これは本当に面白い!書き出し小説を集めたアンソロジー。笑えるもの、シュールなもの、切ないものバラエティに富んだ内容で読んでいて楽しかった。どの小説も想像力を刺激する。短いのだが、長編と同じぐらい不思議な世界が自分の脳裏の中に広がることもあった。短くすると、それだけ言葉の力が強まるような気がした。お気に入りの作品をご紹介。「音楽性の違いで解散した3人は、同じ工場に就職した」「全てを失ったが、残尿感はある」(これには笑った)「緊張のあまり蟻塚の方に告白してしまった」2016/09/05
風眠
123
書き出し小説とは文字通り、書き出しだけで成立した極めて短い文芸スタイルである。そしてその発端には物語に対する純粋な愛情と、多少の打算がある。/(はじめにより)いちばん最初、ここでぐっとくるかどうかが物語にとって重要な要素だと思う。書き出しを集めた本なので、分量的にはちゃちゃっと読める。けれど、どの書き出しも絶妙に心を掴んでいくので、その先が気になる。これは殺人事件?これはSF?う、闇深そう、いきなりこの状況、って何?気になる、という感じで続きを妄想してしまうので、読むのに時間がかかる。けれどそれが楽しい!2018/12/19
優花 🍯モグモグ
112
アメトークで紹介された本で知りました。小説の書き出し部分だけを集めた本で、書き出した先は自分自身の創造力を膨らませていく。創造力の乏しいなりに色々とイメージしながら読んでいくのも楽しかったです。この本は一人で読むよりも、たくさんの人と一緒に読むと、たくさんのストーリーが生まれ楽しく読める一冊だと思います。2018/01/01
hnzwd
106
物語が始まる予感を感じさせる最初の一行。そんな物語だけを一冊は読みたくなるが、、でも、その小説は存在しません。か。魅力的な導入だけに特化した一冊。2017/06/12