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内容説明
『21世紀の資本』の原点。フランスの1901‐1998年までの約100年間における税務記録を徹底分析し、20世紀の同国における格差の長期的構造を浮き彫りにする。経済学者ピケティの出発点となり、『21世紀の資本』へと連なる記念碑的研究書。電子書籍版ではほぼすべての該当箇所に膨大な参照項目、原注や図表へのリンクを付しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
46
2001年初出。2016年最後の課題として、読み進めようとした。もちろん、高価なために、図書館からお借りしてきた。年末、年始にこなした。千頁を越える大部。辞書そのものの専門書。7:3=本文:付録の大雑把な構成と言える。クズネッツ曲線:1955年提唱。工業化および経済成長過程で、所得格差は常に釣鐘曲線(21頁)。逆U字曲線。重要なのは、配当の実質的価値にインフレがもたらす影響はすべて、短期的(70頁)。資本所得の割合は、全体的な景気循環の動きと同じ方向へ変わる意味で「順景気循環的(プロサイクリカル)」で、2017/03/30
roughfractus02
5
資本主義は格差によって運動し、経済発展すれば格差は解消すると経済学はいう。では、この格差は現実の経済にどう影響するのか?フランスを対象としたこの大著が示すのは、20世紀に5倍に膨らむ購買力の原因が労働所得でなく資本所得にあるという点だ。両所得の乖離が格差を生むのは後の『21世紀の資本』に詳しいが、著者は本書で1990年代のフランスの減税策がランティエ(不労所得者)の資本所得を増大させる一方、彼らが経済成長に寄与しない点を強く批判し、経済成長はランティエ層と労働所得層の格差縮小によって刺激されると主張する。2018/07/08
長岡崇
1
読書メーターにおける21世紀の資本と本書の登録数が100倍近い 我々が1%だ2018/11/11
田中峰和
1
「21世紀の資本」へと連なるピケティの出発点となる研究書。20世紀百年間のフランスの税務記録を分析した手法は後の名著にも活かされる。あからさまに格差が大きくなった社会は本質的に不安定だとする指摘はいつの時代も当てはまる。2001年に発表されたこの研究書で、ピケティは次のような根本的疑問に取り組んだ。高所得者と中・低所得者との格差は、20世紀の間に大きくなる傾向があったのか。それとも小さくなったのか。市場経済においては、所得格差がどう推移していくのが自然なのか。税込み18,360円の書籍は図書館で借りた。2016/11/13