内容説明
ベストセラー地域活性エンタメ、待望の続編。
東京からきた多岐川優の活躍で、存続すら危ぶまれていた止村は窮地を脱した。あれから三年。麓にはモールができ、止村も活況が続いている。そこへ麓の町の駅前開発計画がもちあがり、世論は二分される。その争いは多岐川家の夫婦間にもおよび、美穂は家を飛び出し、住民投票の劣勢が予想される側である駅前商店街保存に奮闘する。現状維持か、都市開発なのか。日本のそこかしこで直面している問題に切り込む、地域活性エンタテインメント!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
277
前作に続き優秀なコンサルタント多岐川優、その妻美穂ほか多数出演。なので順に読んだ方がより楽しめます。今回は新しくできたショッピングモールと駅前再開発推進派に対抗する再開発反対派の駅前商店街の人々が中心。話が進むと都会から来た、役に立ちそうもなかった『さとり世代』の若者たちも元気に働き始めます。駅前商店街も活気をとりもどして来る。とても気持ちがいいのです。巻末に参考文献が載っている。フィクションではありますが、参考文献にあったことの何割かが反映されていると思われ、ありえないことではない部分も多いようです。2025/07/23
相田うえお
159
★★★☆☆17060 限界集落、人口の半分以上が65歳以上の集落という定義なんですね。具体的には日本のどのへんがそういう状況なのでしょう?ネットで調べてみました。【日本の限界集落場所ランキング】というサイトを見ると、なるほど自然が美しいところばかりです。やり方次第では人が集まる可能性はあると思いますし、実際に何らかの地域おこししている集落もあるようです。ただ、そう簡単にはいかないのでしょうね。例えば(規模は違うかもしれませんが)この作品のように再開発推進派と反対派が揉めるなどという事もあるのでしょうね。2017/06/22
takaC
91
「続」ではなかった。つまり順番に読まなくても何ら問題なかった。2018/06/05
papako
76
続いて。最初を読んだら、同じテイストの違う話しか?と思ったら、つながっていて安心。こちらの方が面白かった!健太や引きこもりニート?達がじっちゃんばっちゃん達の役にたちたい、必要とされたいと仕事にのめり込んでいくのが、なんだかいいなぁと思いました。『交流戦略』それだけじゃないと思うけど、商店街の活性化、上手くいって嬉しい。じっちゃんばっちゃん元気でいいねぇ。そして多岐川の余裕シャクシャクぶりに美穂が腹を立てるのもわかるなぁ。なんか元気もらえた。2017/01/10
にいにい
75
黒野伸一さん2作目。限界集落株式会社の続篇だけど、山村の振興物語その後ではなく、麓の駅前商店街での再開発が舞台。英雄的な主人公の活躍は、後半のみだけど、揃いすぎてる脇役やうまく行き過ぎる筋は健在。市場原理や自治体の本音が、ちゃんと描かれている。ロマンスの進行や事件も面白い。実際の再開発に取り組むひとには、甘過ぎるとの批判はあるだろうけど、舞台に取り上げることが、興味や理解に繋がり、共生が生まれればと思う。黒野さんのチャレンジに敬意を。読む価値はあった一冊。読んでいて気持ちいいご都合主義は有りだと思う。2017/07/28